まわりのアメリカ <アッシュビル特別編>
チャペルヒルから,車で約4〜5時間ほど。経路は,I-40を西に向かうだけ。家具の街ヒッコリーを過ぎると雄大な山並みが見えてきて,長時間ドライブの疲れも少し和らぐ。アッシュビル(Asheville)は,ノースカロライナとテネシー州の境界近くに位置し,国立公園グレート・スモーキー・マウンテンへの拠点となる。避暑地としてもよく知られている。春は新緑と花を楽しむ人たちで,秋は紅葉を見る人たちでにぎわう。春から秋にかけて何度か足を運びたくなる場所だ。
→アッシュビルの天気
→アッシュビルのダウンタウンの現在の様子
広大な敷地に,ワイナリー,公園,ハウス,庭園,農場があり,見渡す限りの場所全てが個人所有地だということに驚かされる。鉄道で財を成したジョージ・ヴァンダービルトの別荘として建てられた。見学にかける時間は,1日たっぷり見ておいた方がよいだろう。夜の入場には,別にチケットが必要になる。1998年は,4月3日〜5月3日まで,Festival of Flowersが開催された。シーズン毎に様々なイベントが予定されている。
ギフトショップ・カフェ:邸内をほぼ見終わったら,その昔は馬小屋だったという建物のカフェでビルトモア自慢の料理とコーヒーでゆっくりするのもよし,混んでいて待つようなら,ポケベルをもらって隣のギフトショップでおみやげ物を物色して時間をつぶすのも良いかも。
これだけ盛りだくさんで,入場料が30ドル程度なら,まぁまぁだと思う。それ以上にワインやみやげ物を買ってしまいそうだが。
アメリカで最もよく保守・整備された観光道路といわれる。アパラチア山脈のノースカロライナ部分を結んで南西から北東に走り,バージニア州まで約750km続く。訪れる観光客は,年間百万人を超えるとのこと。Ashevillは,ブルー・リッジ・パークウェイの南側(1/3),北側(2/3)に向かう拠点になる。
チムニー・ロック・パーク(Chimney Rock Park)
アッシュビルからのどかな山道を約1時間ほど進むと到着する。アメリカ人は,狭い山道の運転に慣れていないのか,対向車線からはみ出してくることが多いので見通しの悪いカーブでは注意すること。麓の街の雰囲気は,奥多摩のよう。ここも個人所有の土地。アメリカはスケールがでかい。チムニーロックまでは26階建てのビルに相当する高さを一気にエレベータで登ることもできる。もちろん自分の足で登ることも可能。自分の余裕にあわせてパーク内を楽しむことができる。
1913年にオープンした南部で最も由緒あるホテルのひとつ。史跡としても国に登録されている。グローブ・パーク・イン(GPI)は,テネシー州のEdwin Wiley Grove(1850-1927)が,カリフォルニアのイエローストーン国立公園にあるOld Faithful Innを模して建てたホテルだが,丸太の代わりに自然の石を使ったところが異なる点。当初は,彼のアイデアを具象化してくれる建築家がいなかったので,自分と義理の息子とで気の済む限り「世界で最もすばらしいリゾートホテル」を設計したという,手作りの暖かさを感じさせる造りが随所に見られる。ノースカロライナで正装した紳士淑女をいつでも見られるのは,ここぐらいなものではないだろうか。ホテルの前のテラスから見るブルーリッジの眺めは格別。テラスの前にはテニスコートとゴルフ場が広がる。
ホテルオープン後のゲストには有名人達が続々とここを訪れている。トーマス・エジソン,ヘンリー・フォード,ルーズベルト,アイゼンハウワーなど。スコットフィッツジェラルドは,彼の妻ゼルダがアッシュビルのハイランド病院にいる間,1935〜1936の夏をここで過ごしたという。ハンガリーの音楽家バルトークは,1944年にヨーロッパの圧制から逃れるため,アッシュビルを訪れ,Concerto No3 for Piano and Orchestraを作曲したそうだ。この協奏曲は,アッシュビルコンチェルトとしても知られている。
その他,12フィートの丸太も燃やせる暖炉,煙突をそのまま使ったエレベーター,7000のパイプを使ったオルガン。8フィートの大型振り子時計なども必見。
レストランは,計5つ。ブルーリッジのパノラマを見ながらの食事は格別。リゾートなので基本的には,カジュアルな服装でオーケー。ただし,午後6時以降は,ジャケットとタイ着用のレストランも有るので要注意。
また,3歳から12歳の子供用プログラムが有るので,子供を預けてゴルフやテニスを楽しむこともできる。ただしトイレトレーニングは済んでいること。
何よりもありがたいのは,従業員が気さくに声をかけてくれることだ。人によってはうるさく思えるかもしれないが,ツンツンしてお高くとまっているだけの高級ホテルよりは,よっぽど居心地がよい。
テニスマガジンでは,グローブパークインリゾートのテニス施設を,全米50テニスリゾートのひとつに選んでいる。外6面 ,インドア3面。
住所:290 Macon Avenue, Asheville, North Carolina 28804
電話:1-800-438-5800または828-252-2711 FAX 828-252-6040
その他アッシュビルのリゾート
アッシュビルに行く途中(地図で見るとそれほど途中でもないが)で寄った,シャーロットの近くにあるキャロウィンズ(Carowinds)という遊園地も一緒に紹介しておこう。
ここは一口で言うと,カロライナの豊島園(東京以外の人ローカルネタでごめんなさい)。夏になるとウォーターパークもオープンするところや,いわゆる遊園地に置いてありそうなものが何でもあって,それらがあまり統一感のないところなどもそっくり。全体的な対象年齢は4歳から上と思われるが,それ以下の子供は,専用のお子さまコーナーが新たにオープンしたので,まずそこへ行くと時間を有効に使えるだろう。駐車場はとても広く,ディズニーランドのようなグーフィーなどといった親切な目印になるものが何もないので,何列目のどの辺りに止めたかをきちんと把握してから入り口に向かうこと。実際に駐車場で迷子になっているかわいそうな人達を,何度か見かけた。
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