まわりのアメリカ 3月<ウィンストン・セーラム特別編>

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オールド・セーラム(ウィンストン・セーラム)

3月7日:今日は,チャペルヒルから100マイルほど西にあるオールドセーラムという町に行って来ました。オールドセーラムは,ウィンストン・セーラム市にあり,今から230年ほど前につくられた保存地区です。1月に行ったウィリアムズバーグで「アメリカの歴史」というのに,がっかりさせられたばかりではないかという話もありますが,ノースカロライナでは有名な場所だし,近くにあるのに行かないまま帰国するのも惜しい気がして,足を延ばすことにしました。ちなみにノースカロライナのオールド・セーラムは,魔女裁判で有名なマサチューセッツ州のセーラムやオレゴン州の州都のセーラムとは全く違う場所です。たばこを吸う人なら,RJレイノルズ社の本社がウィンストン・セーラムにあるので,聞いたことのある地名かもしれません。また,銀行の名前にもなっている"Wachovia(ワコビア)"は,このあたりを指すそうです。

行き方:チャペルヒルからI-40を西進,ウィンストン・セーラム方面に進み,"Old Salem"の茶色い標識に従えば,約1時間半で迷うことなく,ビジターセンター前に到着します。

チケット:町並みを眺めるだけなら料金は必要ありませんが,資料館になっているいくつかの建物に入るには,チケットを見せる必要があります。大人一人15ドル('98年)。町の端にあるギャラリーにも入るには,20ドルのチケットを買う必要がありますが,AAAのメンバーなら18ドルになります。スタンダードのチケットは,AAAの会員証では安くなりません。頼めば日本語のパンフレットがもらえます。チケットは二日間有効です。

オールドセーラムのすぐとなりには,近代的な高層ビルがそびえ立つ。

セーラムの名前の由来:セーラム(Salem)は,ヘブライ語で「平和」を意味するシャローム(昔msxのゲームにもあったなぁ)から。現在は,ウィンストン市と合併して,ウィンストン・セーラム市となっています。特にセーラム発祥の地を,特別保存区域として建物や景観を修復,改築して,18世紀当時を再現しています。歩いても10分くらいで通り抜けられるほどの大きさですが,みどころはたくさんあります。

オールドセーラムの移民達:チェコのボヘミア,モラビアで活動していた,ローマカトリックを批判,抵抗するプロテスタント宗派のひとつである,モラビア教徒達が,アメリカに渡り,1766年に町を興しました。

町のユニークな点:教会の統制により,モラビア教徒達は家族単位で行動せず,年齢,男子,女子,独身,既婚で階級分けをし,組織単位で生活をしていたため,組織毎に生活・教育の場となる建物も異なって(なんとお墓も!)いました。彼らはクリスチャンであると同時に,職人になるためのさまざまなトレーニングを受け,セーラムの経済と産業を発展させました。

セーラムスクエアをパノラマで

オールドセーラムの人たちは,ウィリアムズバーグと同じように,当時の服装で働いています。パン屋,鍛冶屋,靴屋さんなども,当時のままの道具と作り方で,こだわりの一品を作り続けています。ウィリアムズバーグと決定的に違うのは,彼らからとても暖かみを感じるところです。建物にはいると,すぐに立ち上がって,ニコニコしながら展示の説明を始めるし,聞きたいことにも熱心に答えてくれます。どうやら,ウィリアムズバーグが肌に合わないように感じたのは,そこで働いている人から受けたものだったことに,やっと今日気がつきました。

町のみどころ

Single Brother's House(1769):14歳以上の独身の男性が,住み込みで,銅,スズ細工,染め物などの技を磨いていたところ。

Boys School(1794):100年前までは男子の学校として使われていた。現在は博物館。

Salem TavernとTavern Museum(1784):アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが訪れたことで有名。ランチとディナーが食べられる。ランチをここで取ったが,焼きたてでほかほかの美味しいパンとマフィンが出され,僕の食べたチキン・ケイジャン・パスタもけっこうお勧め。

Winker Bakery(1800):今でもパンを焼いて売っている。ロールパンなどが有名。

Miksch House(1771):全米で初のタバコ屋さん。

Home Moravian Church(1800):ヒストリカルエリアには含まれていないが,4月〜10月頃までは,中に入れてもらうこともできる。

ひとこと:オールドセーラムは,ウィリアムズバーグよりもリアルに生活のにおいを感じることができます。ウィリアムズバーグに比べて歴史的に重要な町ではなかったこと,教会主導で創られた町であったことなどから,人々に妙な気負いもなく,とても親しみやすいので,ノースカロライナやトライアングルエリアに来たら,まずここは押さえておくべきだと思いました。建物や展示を丁寧に見て回ると3時間以上はかかると思います。お薦め


おまけ:オールドセーラムの後,このあたりで最大のショッピングモール,Hanes Mallに行きました。端から端まで歩いてみましたが,確かに広くて歩きでがあります。テナントは,ラーレーにあるクラブツリーバレーモール+αといった感じで,それほど目新しいものはありませんでした。ただ,クラブツリーと比べると少し客層も違うようで,あまりリラックスできる雰囲気を感じられません。たばこ会社のお膝元だからか,中に入ったとたんに,強いたばこの臭いがしてきて,気分が悪くなってしまったのも原因かも。このモールは珍しく建物の中でたばこOKのモールです。いつの間にかたばこの臭いのない生活に慣れてしまって,かなり敏感になっているようです。たばこ好きな人には申し訳ないのだけれど,僕は気管支が弱いため,たばこが大の苦手です。


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リンク

オールドセーラム:http://www.oldsalem.org/

ウィンストン・セーラム市:http://www.ci.winston-salem.nc.us/

RJレイノルズ社:http://www.rjrt.com/