アメリカ滞在中に一度くらいは,日曜の教会礼拝に参加しようと思っていたところ,ちょうど,家内が英会話のレッスンなどでもお世話になっているInternational Wives' Groupを主催するダーラムのFirst Baptist Churchが,Wives'のメンバーを招待してくれるというので,行ってみることにしました。
何にも知らないでただ行くのもつまらないので,簡単にキリスト教について予習してみました。アメリカのキリスト教はローマンカトリックとプロテスタントに,大きく分けられます。国内には,カトリック教徒がおよそ25%,プロテスタント教徒が35%いるとのこと。
カトリックは,イタリア・ローマのバチカン市国にいるローマ教皇を最高支配者として,世界に8億以上の信徒を擁する世界最大の宗教。プロテスタントは,形式的・儀礼的なカトリックに反抗して,聖書を唯一の権威としたキリスト教諸派の総称。なかでもBaptist(バプティスト)というのは,プロテスタント最大の教派で,宗旨がまだ理解できない幼児の洗礼を認めず,成人になってからの自覚的な宗教的体験の告白(testimony)に基づいて信者になったことを認めるという,アメリカ南部ではかなり一般的な教派です。メンフィスで暗殺されたキング牧師も,バプティストでした。
トライアングルエリアにも数え切れないほどの教会があるのですが,僕たちの行った教会は軽く500人は入るほど広く,また歴史を感じさせる荘厳な建物でした。礼拝の作法や聖歌は,全く知る由もないので,礼拝の間中,居心地の悪い思いをしましたが,教会に来ていた人たちの厚い信仰心を,かいま見ることはできました。アメリカの文化を知る上で,キリスト教は避けて通れない話題です。ちなみに僕は無宗教。予習をしたおかげで,僕が16の時にホームステイで1カ月ほどお世話になったアメリカのホストファミリーに毎週連れていってもらった教会は,どうやらカトリックだったということもわかりました。
午後は,N先生とテニス。運動しておなかがすいたのは久しぶりです。夕食は,ツナマヨ・スパゲッティなど。
3月2日(月):大したことはなさそうなのですが,娘が時々「目が痛い」というので,かかりつけの小児科のH先生に診てもらいました。この先生,さすがに小児科だけあって,子供の気持ちをそらさずに,しかも診察もしっかりしてくれます。舌を押しのけて喉を診るための木のスティックや懐中電灯などを,子供には玩具の様に思わせ,気をひきながら巧みに操り診断をつけるという,見事な技を見せてもらいました。親がやっても,ああはうまく診ることはできません。きっと。
ただ,今回ここはプライマリケアなので,UNCホスピタルの小児の目の専門のドクターへ紹介ということになりました。アメリカでは,緊急でない限り,最初から専門科にかかることはできません。電話で,その眼科のドクターに予約を取ったところ,一番早くて3月23日とのこと。さすが天下の大学病院,待たせてくれます。今治療が必要な人に,すぐにきちんとした対応のできないシステムは,医療とは呼べないと思うのだけどなぁ。
先日,アメリカの医療費は,日本の2倍以上という統計が出ていました。その分きちんとしたケアをしてもらえればいいのですが,予約の電話や受付の対応のひどさは,日本の大学病院以下ではないかと思えるほどのところもあるし,予約があっても何時間も待たされたあげく,診療時間は5分なんてこともあるので(敢えてどことは書きませんが),最初から専門科に診てもらえる分,日本の方がずいぶんましじゃないかと思ったりもします。
もう一言だけ付け加えると,日本は医療費にもっと予算を配分しないと,まともな医療従事者のなり手がいなくなり,今の水準だって維持できなくなることは間違いないと思っています。日本の医療費は,国民皆保険制度のおかげで,誰でも一定水準の医療が受けられることになっているのだけれど,これは,国家予算の範囲内で国が支出する分をできるだけ抑えるために,医療サービスの内容を不当に低く評価しているからできることです。だから今のところ日本の医療費は,決して高くないと思うよ。まぁ,アメリカでも日本でもどんなお医者さんに診てもらうかで,だいぶ印象が変わるのも確かですが。夕食は,チキンディバン。
3月3日(火):お雛祭り。日本の両親達が,お雛様と雛祭りグッズを送ってくれました。こういうのが置いてあるだけで,だいぶそれらしくなるものですね。
さて,アメリカでは,日本のように買った車の価値が,どんどん下がるということはないので,日本の中古車の値段を知っている人なら,アメリカで売っている1年落ちの車ぐらいだとかなり高く感じるはずです。昨年,アメリカでもっとも多く盗まれた車は,トヨタのカムリとホンダのアコードだったそうです。敵もいろいろ研究しているようで,同じ車種でも年式やグレードによって盗難率が異なるのだそうです。
で,このランキングの上位のほとんどが日本車だったのは,特に日本車における中古の値段があまり下がらないこと,もちろん人気があるからでしょう。最近は日本車も現地工場で生産されているようですが,日本製品の優秀さは,こんなところでも証明されている訳です。幸い,チャペルヒルのまわりでは,車の盗難の話は聞きませんが,車上荒らしは時々あるようです。意外とこちらの人は,車の中に物を置きっぱなしにしたり,場所によっては,鍵もかけないという人がいるようなので,大丈夫なのかなぁと思っていたのですが,やはり注意するに越したことはないようです。夕食は,ちらし寿司など。
3月4日(水):日本でも外食はかなり一般的ですが,アメリカでは,多くの人が週4,5回は外食すると言われています。味が良ければ,レストランの衛生状態などはあまり気にならないものですが,ノースカロライナ州では,毎年レストランや給食施設などをすみずみまで調べて,点数をつけたうえで,Grade AからCまで等級分けをしています。グレードCがついてしまった場合には,レストランを閉めないといけません。
この検査結果は,客から見えるところにグレードカードとして提示しておかなければいけないのですが,ノースカロライナやサウスカロライナ,ネバダ,ジョージア,テネシーなどを除く,全米のおよそ4/5の州ではこの検査結果のカード表示義務がありません。検査官や郡によって基準が多少異なること,人情的にCより低いスコアはなかなか付けられない,Aが多すぎるなど,問題はあるようですが,州政府は検査官の訓練を充実させるなどで努力しており,ノースカロライナの人たちもお店の清潔さを容易に知ることができるので,グレードカード表示の評判はおおむね良いようです。まぁ,おいしいお店と衛生状態は必ずしも相関がないのだけれど,けっこう細かいところまで,チェックしているようです。夕食は,エビのアメリカンソース煮。
3月5日(木):日本では,確定申告の季節ですが,実はアメリカでもそうです。アメリカでは税金を払っているということを実感させるためか,誰もが個人で確定申告をすることになっています。アメリカに来る前までは,J-1ステイタスのビザを所持する外国人は,所得税が免除されるので,何もしなくていいものと思っていたら,来た当初から今までに,所得税を免除するための書類を何枚も書かかされました。まぁこの程度の苦労で税金を払わなくて済むのは,ありがたいと思うようにしていたのですが,なんとさらに今度は,確定申告もしなくてはいけないことがわかりました。税金の免除はするが,きchんと所得は所得で申告しろということ。がーん。
で,今日はUNCでヘルスサイエンス系の研究をしている外国人のための確定申告セミナーに参加しました。しかし,これがわかりにくいことこの上ありません。セミナーが終わってもまだ疑問だらけで,4月までに書類が書き上げられるかちょっと心配です。外国人のための税金ガイドなんて冊子もあり,申告用紙と一緒にインターネットからPDFファイルなどでダウンロードできるのはとても便利だと思うのですが,英語で50ページもあるものなど,とても全部きちんと読む気にはなれません。
どうやら複雑難解なのはアメリカ人にとっても同じらしく,アメリカでの最近のコンピュータソフトの売れ筋は,確定申告ソフトなのだそうです。そういえば,どのショップでも一番目立つところに,この関係のソフトが山積みされています。確定申告ソフトのために,ハードの売れ行きも伸びるほどだそうです。税金に関わる消費や雇用を増やすために,わざと複雑にしているのではないかと思うのは勘ぐり過ぎかな。日本の確定申告の方が,よっぽどシンプルでわかりやすかったよ。夕食は,ハヤシライス。
3月6日(金):こちらに来てからすぐに(6月24日)行ったソーシャルセキュリティオフィスでは,J-1の家族(J-2)には,ソーシャルセキュリティナンバー(SSN)を発行しないと言われたので,そのままにしていたのですが,昨日のセミナーで,SSNがとれない場合は,ITIN(Individual taxpayer identification number)というものを取得しておかなければいけないことがわかりました。
こんなこと最初からわかってたことだろうに,最初にSSNを取りに行ったときに,なんで教えてくれなかったんだろうと,腹が立ちましたが,まぁ仕方がないので,またダーラムまで行って,家内と娘の分を申請してきました。こんどはSSNのオフィスではなくて,隣の棟にあるIRS(Internal Revenue Service:国税庁)のオフィスです。ややこしいなぁ,もう。
税金の話が続くと読んでいても楽しくないので,J-VISA保持者のための確定申告というページを作ります。
大学バスケットリーグは,ほぼ試合を消化して,地域リーグの最終トーナメントがチャペルヒルから車で1時間ほどのグリーンズボロ(Greensboro)で行われています。UNCは,全米では4位まで下がってしまいました。この全米の順位というのがくせ者で,実際の実力によって決まるものではなく,コーチや新聞社・テレビ局の投票によって決まるのです。星の数ほどあるアメリカの大学が総当たり戦をすることは不可能なため,推定評価をつけるためにとられた措置だとは思いますが,あまり納得がいきません。地域のトーナメントが終わったら,次は,全米から優秀なチームだけが選ばれて,今シーズンの本当の最終戦が行われます。夕食は,マーボー豆腐。
3月7日(土):今日は,オールドセーラムに行きました。日帰りだったのですが,けっこう楽しかったので特別編にしました。夕食は,スパゲティカルボナーラ。
3月8日(日):「まわりのアメリカ」の表紙をちょっとだけ衣替えしてみました。見にくいようなら,元に戻そうと思います。よろしければご意見下さい。
今日は,いよいよACC(Atlantic Coast Conference)の大学バスケットリーグのチャンピオンシップトーナメントの決勝戦でした。下馬評通りUNCとDukeが勝ち進み,両校が今期3度目の対戦をすることになりました。結果はUNCが後半,敵のファールをうまく誘ったり,味方のシュートも小気味よく決まり,15点差でDukeを下しACCチャンピオンに輝きました。
今日のもテレビで観戦していたのですが,ファンの白熱ぶりが伝わるほど見応えのある試合でした。ただ,10月からこれまでリーグ戦でコツコツ戦ってきたのに,結局最後はトーナメントで順位が決まってしまうのは,やっぱり変な感じです。ちなみにACCに所属する大学は,クレムソン,デューク,フロリダ州立大,ジョージア工科大,メリーランド,ノースカロライナ州立大,ノースカロライナ大学チャペルヒル,バージニア,ウェイク・フォレストで,このうち5校がノースカロライナ州にあります。
NCAA(National Collegiate Athletic Association)には,このような地域ごとの下部組織(カンファレンス)が,50以上あり,しのぎを削っています。次は,今期成績の良かった全米64チームが選ばれて戦うNCAAでのチャンピオンシップゲームです。まだまだバスケットボールから目が離せません。応援するものがあるって楽しいですね。
夕食はUNCの優勝祝いにYAMAZUSHIでターヒール・ロールや寿司コンボなど。
3月9日(月):今日は,職場にも冷房が入ったほど,いよいよ春めいてきました。まわりでは,Bradford pearの白い花が,どこでも満開です。
こちらでの滞在期間もあと3カ月を残すところとなり,日本の事情を少しずつ知っておくため(リハビリともいう)に,日本語の新聞を取り始めました。もちろんインターネットでもニュースは読めるのですが,紙のメディアのほうが,やっぱり一度に入ってくる情報量が違うし,インターネットでは飛ばしてしまう部分も,紙なら読む気になります。
日本人が多いところだと新聞の宅配もやっているようですが,チャペルヒルには,郵送で届きます。アメリカは日本に比べて郵便事情が多少悪いためか,届けられる順番が前後したり,毎日届く訳でもないようです。
申し込んだのが,2月27日で,3月1日付けの新聞から届くようになりました。始めたばかりだったのに,なぜか延長の手続きの申込書が届いたので,家内が問い合わせたところ,これは何かの手違いだったことがわかりました。その際,僕らの申込期間が2月28日から5月27日になっていることがわかりました。3月1日分から届いているのに,それはないだろー!○○新聞!4日分も損してるぞー!! この件に関しては,再度電話して,しっかり文句を言うことにしました。英語だとまだ厳しいものがあるけど,日本語なら大丈夫だぃ。 夕食は,スタッフドチキン。
3月10日(火):学生達はスプリング・ブレイクに入って,キャンパスも少し閑散としています。昨日はものすごく暖かかったのに,今日はセーターとジャケットが必要なほど冷え込みました。寒の戻りというか,三寒四温とか花冷えなんて言葉に当てはまるような天候はアメリカでもありそうです。
さて,仕事場では,よく電話を取ることがあるのですが,ちょっと遠くにいる時などは,間に合わないこともあります。そういうときはなぜだかわかりませんが,必ず3回呼び出しのベルが鳴ったところで切れます。日本のベルより鳴っている長さも間隔も長いような気がしますが,判で押したように呼び出しのベルはいつも3回で切れます。日本だったら,もっと長く平均10回くらいは待つような気がしますが,アメリカ人はせっかちなんでしょうかね。これに関しては,他の場所でのサンプルを増やしてもう少し調査して,はっきりさせたいなぁ。
そういえば,UNCのバスケットボールチームがACCのチャンピオンになったのは日曜日なのに,もう"1998 ACC Champion!"などと書かれたTシャツが生協で売っていました。けっこうよく売れているようです。いやぁ,素早い。○○新聞の件は,日本との時差の関係で2月28日分は,3月1日付けの新聞なんだそうな。そんなのありか?!夕食は鰻丼。
3月11日(水):今日は,研究室に放射性同位元素取り扱いに関する抜き打ち検査がありました。検査員(女性)は一人だけでしたが,せまい僕らの部屋を30分くらいかけて,隅々まで調べていきました。ガイガーカウンターを使って放射能で汚染された場所がないかどうか,薬品は決められた場所においてあるかどうか,管理記録に間違いはないかなど,けっこう検査項目は細かく,まわりにいるスタッフもちょっと緊張の面もちで,その様子を眺めていました。
運悪く,ちょうど今日はホットなもの(放射性同位元素)を実験で使っていたばかりなので,彼女を遠巻きにしながら,みんなで目配せしたり,かなり冷や冷やものでした。結果は後日知らされるそうですが,最悪の場合は,研究室や建物全体が閉鎖の憂き目にあうこともあるそうです。まぁ,単純に考えても,不特定多数の人の出入りがあり,実験以外の仕事や食事をすることもある場所で,こういうものと一緒に生活するというのは,かなり難しいと思います。
日本に比べたら,やはり放射性物質に対する考え方が甘いように思われるのは,大規模な被爆の経験がない国だからでしょうか。できればこんなものを全く使わないで実験できるようになればいいのだけれど。夕食は,牛肉のショウガ焼きなど。
3月12日(木):寒のもどりなんて言っていられないくらい寒くなってきました。今朝はたぶんこの冬一番の寒さ,3月中としても記録的な寒さだったようです。今晩から明日の朝にかけては,もっと冷え込むようで,e-mailで全校に水道管の破裂注意報も出ていたほどです。農作物への影響も避けられないようで,来週あたりから価格が上がりそうだという話もありました。この冬(もう春なんだけど)は,最後までへんてこな気候です。
ノースカロライナの公共の放送機関UNC-TVが,2月の終わりから3月末までFestival'98という大がかりな募金運動をしています。貧しい人や恵まれない人を助けるためではなくて,この放送局自体をサポートするための募金です。ただお金を集めるのではなくて,いつもより番組をちょっと短めに編集して,間にできた時間で,その番組に関連するビデオ,CDなどを購入してもらうという方式のようです。私企業ではない放送局とはいえ,番組の制作費やセサミストリート,バーニーなどの他局制作プログラムの購入費,その他の放送事業を行うのに必要な額は1700万ドルにも上るそうです。コマーシャルなどによる収入もあるので,これら全部を募金に頼るのではありませんが,2週間ほどで,すでに目標額250万ドルのうち100万ドルちかくを集めています。以前から,日本に比べてずいぶんと献金や基金,寄付やボランティアが盛んな国だなぁと感じていたのですが,実は,これに頼ることで社会が成り立っているような気もしてきました。夕食は,焼き鳥丼。
3月13日(金):今日は朝,水たまりに氷が張っていました。車の中に置き忘れた子供のスパウトも中身が凍っていました。厳しい寒さも今日までだそうです。アメリカの天気予報はけっこう当たります。
家庭用ゲーム機のセガサターンがアメリカ市場から撤退するようです。先代のジェネシス(メガドライブ)の時は,アメリカでもけっこう売れていたのに,最近はこのあたりのコンピュータ関係のお店に行っても,だいたいはソニーのプレイステーションと任天堂のNINTENDO64がデモっている程度で,あまりセガサターンを見ることはなかったので,しかたないでしょう。まぁ,セガはともかく,日本製のマシンがアメリカのゲーム機市場を牛耳っているのは間違いありません。プレイステーションのゲームで,去年出たファイナルファンタジーVIIなどは,テレビコマーシャルの回数も多かったし,プレステ関係は,かなり宣伝も頑張っています。アメリカでもCMの最後に「プレイステーション」と日本語訛りで言うのは,同じものです。日本からプレステを持ってこようかとも思ったのですが,コピーライトの関係か,(違法?改造もあるらしいけど)こちらで買ったソフトは使えないと聞いたので,やめておきました。
さて,うるう年でない限りは,2月と3月の日付と曜日は一致するので,今日も,あるムービーチャンネルでは「13日の金曜日」シリーズが延々と流されています。ちょっと海を見たくなったので,週末は更新が遅れると思います。夕食は,ラーレイのSeoul Houseで,ブルゴキセット。
3月14日(土)〜15日(日):サウスカロライナ州のマートルビーチに行ってきました。マートルビーチ特別編へ。
3月16日(月):今日は,トイレの話。気になる人は食事の後でお読み下さい。アメリカに来てから,トイレ関係で気が付いた不便なことがいくつかあります。まず,トイレットペーパーのロールが取り付けられている位置。けっこうこれが,変な場所に付いていることが多いので,上体,肘(ひじ),手首ともに,妙な角度にひねらないとペーパーを引っ張れないことがよくあります。日本だとどこでも,もうちょっと親切な位置に据え付けられているのは確かです。それからもう一つ,こっちは当然洋式なのですが,その便座について。アメリカ人の標準的な体格から考えると,ずいぶん小さいものが多いようです。お尻の大きなアメリカ人はいくらでもいるのに,なぜかこれは小さい。大きなアメリカ人だと,きちんとおさまりきれず不安定にならないのか,人ごとながら心配です。ちなみにトイレ・バス関係では,American Standardという会社のロゴをよく見かけます。
あともう一つは,一般の公衆トイレの個室の扉です。このドア板にはちょうど膝(ひざ)から下の部分がありません。外から見ると誰だかわからないけど足は見えてしまいます。和式だったらお尻が見えてしまうところです。これは,掃除をする人のためにとか,保安のためとかいろいろ理由はあるようですが,なんとなく日本人にとっては,風通しが良すぎてどうも不安に感じます。個室越しに隣の人と雑談しているのが聞こえてくるなんていうのもアメリカならではでしょう。さらにもう一つ。アメリカ人はハンカチを持ち歩かないのか,どこのトイレにも必ずペーパータオルがあります。紙の無駄だなぁと思うのですが,習慣なんでしょう。ペーパーがないところには,手を乾かすためのドライヤーが置いてあります。そうそう,最後にアメリカ人にお願い,「終わった後は,ちゃんと流してね」。アメリカ人で読んでる人いないだろうけど。夕食は,野菜ミートスパゲティ。
3月17日(火):バレンタインデーまでは,ピンクや赤がショウウィンドーで目立つ色でしたが,その後は「緑」が取って代わります。これは今日の聖パトリック・デー(St.Patrick's Day)を祝うためです。聖人パトリックは,アイルランドの地から毒虫と蛇を追い出したという伝説の守護神(聖人)です。彼はグレートブリテン島の生まれですが,隣のアイルランド島に渡り,三つ葉のシャムロック(シロツメクサ・)を統合の象徴としてキリスト教を伝道したのだそうです。緑の色もこのシャムロックからきているとのことで,この日は,体のどこかに緑色のものを身につけるのがポイントです(なかには,全身「緑」の人もいるようですが)。今日はクリントン大統領も緑のネクタイをつけていたほど,アメリカではポピュラーな祭日です。 アメリカに最初に渡った移民はアイルランド人達で,彼らがからボストンに移住してきてこの習わしを広めたそうです。ニューヨークには,聖人パトリックにちなんだセントパトリック教会があるので,特に大きなパレードが行われるなど,例年ものすごいお祭り騒ぎになるそうです。テレビのニュースでも,パレードの様子が映っていました。北アイルランド問題も,このときは特に注目されるようで,アイルランドの首相がわざわざワシントンDCまで出向き,アメリカのより深い理解と協力を求める声明を発表していました。夕食は,ソーセージとザワークラウトの煮込み。 |
3月18日(水):3月は,各カンファレンスやNCAAでのトーナメントが行われ,みんなバスケットの試合のことで頭がいっぱいになるので,NCAAの選手権を特に「マーチ・マッドネス」と呼んでいます。UNCも今のところ快進撃を続けています。UNCは,バスケット,フットボールの他にも女子サッカーやラクロスなども強くなってきたおかげで,UNCへの入学志願者がどんどん増加しているそうです。どうやら去年たくさん取りすぎてしまったらしく,今年は1万7千人を超える志願者のうち,3400人しか入学できないようです。UNCは州立大学なので,新入生枠,授業料などは州内出身者に有利になっています。ちなみに,州外の学生は18%以下になるようコントロールされているそうです。
今日,家内はプリスクールの先生のお手伝い当番でした。当番は,スナックやジュースを用意して,子供達の世話を手伝います。さらに今日は,近くの小学校の教育プログラムの一環として,もう一人アシスタントが派遣されてきたそうです。なんと彼は小学3年生。2歳の子供達の世話を焼こうと頑張ってくれたそうです。ほほえましいのと同時に,こんなに小さな頃から,年下の面倒を見るという実習トレーニングのシステムがあるということに,驚かされました。夕食は,パエリア。
3月19日(木):今日は,またやられました。今回はAirborneという運送会社です。昨日の朝,僕らがいないうちに荷物を届けに来たらしく,「今日の朝また来るよ」とメッセージが残されていたのですが,これが,待てど暮らせど来ない。結局来たのは,12時30分過ぎ。メッセージを素直に信じた僕らが馬鹿でした。荷物の中身は,PowerBook用Zipドライブ。2Gあるハードディスクが,いつのまにか残り50Mになっていたので慌てて注文したものです。マーフィーの法則みたいに,どんなに大きなハードディスクでも,気が付くといつもあと10%くらいでやりくりしているってことありませんか?
うちのアパートは,3ヶ月に一度,ペストコントロール(害虫防除)が来て,部屋の隅々に薬をまいていきます。いつも僕らのいないときに,大家さんが部屋を開けて,業者がまいていたのですが,今日は荷物待ちの関係で,まいているところを見ることができました。意外と食べ物の置いてあるところに近いところまで散布していたので,びっくり。気が付きませんでした。でもおかげで,こちらに来てからゴキブリは見たことがありません。コンバットなんていうのは売っているんだけど。そういえば,アメリカ人が部屋に入ってくるときには,靴を脱ぐ習慣がないので困りますね。外と中の区別がない人たちに,「清潔区域(医学用語」なんて概念,持てるのかなといつも疑問に思います。
夕食は,Squid'sで,イカリング,溜まり醤油のツナソテーなど。寿司のガリ(SUSHI SHOGA)が添えてあったり,ワサビがツナにのっていたり,とっても和風。ガリも暖められていたのには,ちょっと驚いたけど。アメリカでは寿司だけでなく,ガリも流行っているそうです。UNCは,NCAAのトーナメントでNavy,UNC-Charlotte,Michigan St.を破ってベスト8(Elite Eightと呼ぶ)まで,あがってきました。いいぞぉー!
3月20日(金):梨の花もそろそろ散り始め,緑の葉が目立ってきました。代わって,このあたりの桜が,日本ほど本数は多くありませんが,いつの間にか満開になっていました。レンガ造りの建物と桜の組み合わせって,見慣れていないためか,ちょっと新鮮な風景です。
今日の夕食は,Chili'sで,チリやリブアイの直火焼きなど。ぱっとしないところにあるお店だったので,なかなか行く気にならなかったのですが,味もまぁまぁで,意外といいお店でした。
夕食からフリーウェイのI-40で帰ってくるときに,このあたりでは遭遇したこともないような雷雨+ヒョウ(雹)に見舞われてしまいました。カーラジオからは,激しい雷雨とともにトルネードも発生しているなんて聞こえてきて,焦る,焦る。フリーウェイの路肩に車が停まっているのを見たのは,昨年の7月にサウスカロライナに行ったとき以来です。しかも陸橋の下にみんな停まっていたのは,今考えてみると,竜巻よけだったのかもしれません。映画のツィスターでも竜巻が来る前にやっぱりヒョウが降っていたなぁ,そういえば。
うちに何とか帰り着いてみると,うちの安物のラジオが警報信号を受信したらしくて,自動的にスイッチが入りサンダーストームのレポートを流していました。こんな機能も付いていたんだ?このラジオ。テレビをつけてみるとDuke対SyracuseのNCAAバスケットの試合が行われていました。でもこの対戦,視聴率がとても高いはずなのに,嵐の進み具合と警報が次々と放送に割り込んできます。かなりシリアスな状況のようです。幸い僕らのアパートのあたりは一番ひどいところを,もう過ぎたところだということもわかったので,心配は要りませんでしたが,「集中豪雨とトルネードの進行方向にいる人は,自分の身を守るために今すぐ行動を起こせ」といわれても,何をしたらいいのかわかりません。待てよ?ということは,やっぱりさっきの僕らの帰り道が一番危なかったのでは?。うーん。危機一髪だったのかな。この嵐で,桜が散ってしまわなければいいのですが。
3月21日(土):昨日の嵐(と竜巻)はやっぱりすごかったようです。トライアングルエリアでも,負傷者3名,被害総額およそ100万ドルとのこと。でも昨日のChili'sでも,「喫煙席じゃなきゃ,あんた達45分待つわよ。」といわれたくらい地元の人達で混んでいて特に変わった様子もなかったので,テレビの警報を見るまでは僕らもそれほどまでの悪天候とは思いませんでした。さらに今日になって,やっぱり昨日の天気はただごとではなかったのだと理解した次第。知らぬが仏とは,このことでしょう。
ベストバイでふと手にした小学生用電子辞書,Homework Wiz KID-20,スケルトンモデルでサイバーなデザインが気に入ってつい買ってしまったのですが,けっこうこれ,良くできています。日本では手に入らなそうなアイテムを見つけると,なんだか得したような気持ちになります。
このマシン,英英辞書として使えるのはもちろん,単語テストのゲームなども入っていて,僕のボキャブラリーを増やすにも使えそうです。子供用なので機械側の反応もユニークで,スイッチオン時の挨拶も毎回違うし,答えが正解の時,間違った時もオーバーな反応が返ってきます。エデュテイメント関係は,やっぱりアメリカは強いですね。辞書モード,ゲームモードともに,単語の解説が表示されるのですが,目的の単語だけでなく,その文章中に出てきた単語もワンタッチで意味を調べることができます。これで音が出れば文句無いのだけれど,価格を抑えるためか,サウンド機能は無し。収録語彙は子供用のはずなのに,知らない単語の多いこと。情けなくなってきます。今日はNCAAのトーナメントで,UNCがコネチカット大に勝って,いよいよベスト4(Final Fourと呼ぶ)に。夕食は,カシミールチキンなど。
3月22日(日):今日は,チャペルヒルから車で20分ほど北にある隣町のヒルズボロー(Hillsborough)という町まで行ってみました。チャペルヒルやヒルズボローのあるオレンジ・カウンティは,ノースカロライナ州ができてすぐの1760年には地図に名前が載っていた由緒あるカウンティです。ヒルズボローは,町自体がアンティークのような,当時からの佇まいをほとんど変えていないところです。商工会議所(Chamber of commerce)にもなっているDickson Houseとオレンジ・カウンティ歴史博物館などに行きました。歴史博物館にいた館長さんは,第2次世界大戦直後に日本にしばらく滞在したことがあるそうで,数十年ぶりに日本語で,「こんにちは」「ありがとう」などの単語や「リンゴの歌」などを思い出して,僕たちに披露してくれました。その他,この町には,ノースカロライナ州で一番古いというアンティークのショッピングセンターもあるので,好きな人にはたまらない場所かもしれません。
その後,いつものスーパーカットで3度目の散髪。今日はめちゃくちゃ待たされて,結局自分が最後の客になってしまいました。おかげで,チップを渡すタイミングがわかりました。前回までは,レジで余分に1ドル上乗せして支払っていたのですが,みんな席から立ち上がった直後か,精算後に,その人の所まで戻って渡していました。子供も親に連れられて髪を切りに来ていたのですが,親が渡した1ドル札をしっかり握りしめた子供が,自分の髪を切ってくれた人に渡しに行く様子を微笑ましく見ていました。チップを渡す習慣も親がきちんと教育しているのですね。
夕食は,ZipのメディアをラーレイのCompUSAまで買いに行ったついでで,またSushi Tsuneへ。テーブルが空いていなかったので,カウンターに座ったため,なんとなく寿司を頼まないといけないような気がして,寿司のセットとチラシなどを頼んだのですが,今日はネタもいまいち,相変わらずワサビの量は多くて,チラシに至っては,刺身のツマとガリが中心にどーんと居座っているというバランスの悪さ。やっぱり日本人を相手にした商売をしていないということがわかりました。日本食というのに期待しすぎなのはわかっているのですが,今日は,少しがっかりして帰ってきました。でも,日本にいたら,こんなにお寿司を食べになんか行かないのにね。
3月23日(月):朝は,娘の目のことで病院の専門外来へ。いろいろ検査をしてもらいましたが,成長の過程で一時的に見られるもので心配ないだろうとのこと。とりあえず大丈夫そうです。
昨日の散髪でだいぶさっぱりしたので,仕事場でも何人かに,「いいね,そのヘアカット」と言ってもらいました。たぶん,今までがよほど見苦しかったんだと思いますが。とはいえ,こちらの人は,こんなちょっとしたことでも,よく人を褒めます。しかも褒め方がうまい。アメリカ人たちは子供の頃から,親や先生に褒められて,自信を持つことを身につけてきたので,相手をやる気にさせるちょうど良い頃合いを知っているようです。怒られながら仕事を進めるよりは,褒められながら仕事をする方が,誰でもいいに決まってます。人を褒めるのは,一番コストをかけずに生産性を向上する方法ではないでしょうか。
もちろん場合によっては,ただ単に褒めるだけではなくて,それに報いる賞が用意されます。幼稚園から大学に至るまで,また社会に出ても,頑張った人達には,それなりの賞が行き渡るように十分に準備されています。そんな中でも,最もアメリカ人の称賛をあびるのは,今日の第70回アカデミー賞でしょう。東海岸時間で夜の7時からおよそ6時間にわたり,授賞式の様子がテレビで放映され,アメリカ人達の目を釘付けにします。今回は,前評判通り「タイタニック」が,ノミネートされた13部門中11部門で,作品賞ももちろん,各部門をほとんど総なめ状態でした。そして彼らは,自分たちがお世話になった人たち,励ましてくれた人たちに感謝の気持ちを表すことも,決して忘れないのです。夕食は,ソフトタコス。
3月24日(火):ノースカロライナというと,往年の不二家のキャンディ”ノースキャロライナ”を思い出すという人は,たぶん僕と同じくらいの年代の方ではないでしょうか?これ以外に,一般的な日本人が「ノースカロライナ」からすぐに思い起こすことができるものは,残念ながらほとんどないような気がします。
でもノースカロライナの地から,世界的に有名になったものは,結構あるのです。たとえば,NBAシカゴ・ブルズの要,マイケル・ジョーダンは,UNCの出身ですし,ライト兄弟が最初に飛行機を飛ばした場所もノースカロライナにあって,その様子は,車につけるナンバープレートの挿し絵にもなっています。また,今からちょうど100年前,昔の州都だった町,ニューバーンにある薬屋のブラダムさんという人が,病気の子供達のために,自分の店に置いてあった消化酵素と炭酸水,砂糖などを調合した飲み物が,ペプシコーラの始まりです。病気の治った子供達が,もう一度あの飲み物を飲みたいと言って,ブラダムさんのところにみんな戻ってきたため,「これは,いける!」と事業化されたそうです。今年から日本ではサントリーが売ることになったようですが,ノースカロライナではコカコーラよりもペプシの消費量が,どこの州よりも断然多く,みんなペプシを誇りに思っているほどです。ちなみにコカコーラは,ノースカロライナの南にあるジョージア州アトランタ生まれです。
日本では缶入りのソフトドリンクの価格が6年ぶりに上がったそうですが,アメリカの自販機で一本1ドルなんて値段になったら,暴動が起きそうな気がします。夕食は,自家製ローストビーフにトライ。
3月25日(水):アメリカでも日本でも学校が荒れています。相次ぐ中学生によるナイフ刺殺や傷害事件,かたやアメリカでは,昨日もクリントン大統領の地元,アーカンソー州での,やはり11歳と13歳の少年による銃の乱射殺人事件など,通常では思いもよらない異常な事件が起きています。テレビ,新聞の取り上げ方を見ても,昨日の事件がアメリカ人にとっても,尋常ではないことが伝わってきます。
日本の文部省からは「学校は万能ではない」などという,見方によっては教育の放棄宣言とも取れる報告が出たというニュースも伝わってきました。「学校だけで対応できない問題」があることは,端から見ていても確かです。子供が,物事の善悪をきちんと考えられるようになるまでは,あまり学校教育に期待しすぎず,やはり親がしっかりと子供を教育するのが筋でしょう。
アメリカでも日本でも,共働きが一般的になってきています。ただし,日本ではまだ経済的な面から両親とも働かなければならない場合が多く,アメリカでは親の人生のために,仕事を続けるというところが多少違うところです。アメリカの方が,子供を預けて親が働きやすいシステムが進んでいることも確かですが,できることなら子供がきちんと自立するまでは,愛情を注げる保護者(親でなくてもよいが)がそばにいてあげるのが,自然なことのように思います。まわりのアメリカ人を見ていると,親が子供を離しておく時間が長いのは,子供に独立心を養わせるためらしいですが,僕などから見ると,あまりに個人主義的すぎて,どうして一緒にいてあげないの?と尋ねたくなるほどです。親としての大人がしっかりしないことには,子供の問題は解決できません。
橋本首相は,ナイフ狩りは,けしからんなどと,またとぼけたことを言っていますが,学校でナイフが必要になるのは,図画工作か技術科だけで十分です。見せびらかすためのナイフを学校に持ってくる必要は全くありません。日本がよい方向に代わっていくのは,まだまだ時間がかかりそうです。夕食は,リボンパスタのミートソース重ね焼き。
3月26日(木):「北野 武監督のHANA-BIが全米で公開!」なんていうニュースをちょっと前にインターネットで読んで,おお,それならこのあたりでも見られるかな?と,ちょっと楽しみだったのですが,あらためてよく読んでみると「全米の9映画館で上映」だって。9カ所しかないなら,全米って書くなぁっ!と思っていたら,割と評判が良いみたいで,明日からは30カ所で公開されるそうです。本物の「全米」には,まだ遠いけど,この辺りまで来るかな?同じ日本映画のShall we dance?などは,トライアングルエリアでも上映されていたほどなので,HANA-BIにも頑張ってもらいたいものです。
昨日の続きでもないのに,今日はカリフォルニア州で,やはり中学生が銃を校長先生に向けて撃つという事件。アメリカでは学校の入り口に金属探知器を置いているところもあるそうです。でもこの生徒は銃を,校舎の外の植え込みに隠していたとのこと。アメリカでは比較的簡単に銃が手に入りますが,アメリカ人なら誰でも銃を持っているわけではありません。ここ南部のノースカロライナでも銃は必要ないと思っている人の方が多いように感じます。僕のボスなども,銃を持つ人はクレージーだとはっきり言います。アメリカは,政治的に大きな力を持つたばこ会社を規制できるのだから,銃に関してもできそうな気がするのですが。
もうひとつ,最近の日本のニュースから。性懲りもなく,またパチンコにはまったお母さんが,子供達を車に置き去りにして殺してしまいましたが,アメリカでは,車や家に12歳以下の子供を一人にしておくことだけで,犯罪になります。実はこれ,子供を大切に扱うことを法律で取り締まらないといけない国だということでもあるのです。日本に,きちんと次の世代のことを考え,子供を大切にする環境作りのできる政治家や官僚は,どれだけいるのかわかりませんが,この件に関しては,日本でもそろそろ法制化したらどうかと思います。あまり楽しくない話題を続けるつもりはなかったのですが,知らんぷりもできないので。夕食は,マッシュルームミートローフ。
3月27日(金):いやぁ,今日は,ものすごく暑くなりました。アメリカ東南部を中心に30度C近くまで上昇したようです。天気予報を聞いていたので半袖のポロシャツを着ていきましたが,今日はなぜか仕事場に冷房が入らず,暑がりの僕にとっては,クラクラするほど辛い日になりました。こういう日は,学生達もカジュアル度が高くなり,ほとんどが,夏の格好をしています。お昼などは日の当たるところなら,芝生だろうと階段だろうとどこでもお構いなしに座り,仲間と談笑しながらランチです。
たいていの人は温度とお日様に敏感ですが,なぜかまだコートを着ているような人もいたりするし,真夏になると今度は,僕でも凍えるほど冷房を効かせたりするので,こちらの人の温度感覚というのは,未だになかなか理解できません。服装にあまり季節感がないので,当然,衣替えなんていう習慣もありません。きっとアメリカ南部に住んでいる人たちのクロゼットの中は,どんなシーズンの服をいつでも出せるように用意してあるのでしょう。まぁ,カジュアルな服が多いので,それほど場所もとらないのかも。
カジュアルといえば,女の人でも,スカートをはいている人は2割いるかどうかという感じです。また,うちのボスも仕事場では,たいていスニーカーにジーパンという格好が好きなようで,改まったことでもない限り,できるだけカジュアルでいくのが基本なようです。たまに会議がある日などは,スーツとネクタイを締めて現れますが,そういう日は,なんだか窮屈そうです。僕の場合も,せっかく日本から持ってきた2着のスーツは,まだ一度も着る機会が来ません。
夕食は,最近,毎月一度は行っているThai Palaceで,毎回注文するエビのFried riceと,このホームページを読んで下さっているMさんに美味しいと教えて頂いたBBQチキン(Gai Yang)など。Gai Yangは,見た目普通のローストチキンなのですが,一緒に付いてくる甘辛のソースをつけると,不思議な香ばしさが口の中に広がって,思わず箸(フォークだけど)が進んでしまいました。
3月28日(土)〜3月29日(日):ワシントンDCに,桜を見に行きました。ワシントンDC花見編をどうぞ。ワシントンDCの概略はその1(9/'97)で。
3月30日(月):今日もチャペルヒルは,30度Cを越える暑さ。相変わらず仕事場は冷房が効かないので,昨日の疲れもあって,もうくたくたでした。
週が明ける度に感じることですが,月曜日は特に,英語がへたくそになります。週末は,家族と過ごすために,英語の使用頻度が落ちるので,仕方のないことなのですが,月曜の朝にこちらの人と話すときは,どうしてもまどろっこしさを感じます。
そういえば,アメリカでは,見知らぬ人から軽い挨拶をされたり,道を聞かれたり,時間を尋ねられたりと,ちょっとしたことで気軽に話しかけられることがよくあります。最初のうちは面食らいましたが,慣れてくるとけっこう気持ちの良いものです。話しかける相手がたとえアジア系の顔をしていても,彼らがしゃべりかけるスピードに容赦はないので,こちらは全く外国人扱いされていないこともわかります。日本なら,顔かたちでその人が日本語を話すかどうかは,だいたい判断できますが,こちらでは,相手の外見のみで英語を話すかどうかなんて,アメリカ人でもまずわからないでしょう。日本で言う「外人」の容貌という概念は,どうやらアメリカには存在しないようです。
気軽に話しかけるというのはのは,開拓時代からの習慣だという話をアメリカ人から聞きました。全く異なるバックグラウンドをもった移民達が,同じ場所に集まり,見知らぬ相手とうまくやっていくための知恵だったそうです。声をかけることによって,自分の隣にいる人がどんな人物であるかを知っておくこと,敵意のないことを知らせる,または無駄な争いを避けるという,ある種の防衛手段でもあったようです。アメリカにいるというだけで,アメリカ人から話しかけられ,同朋もどきとして認められるということは,ありがたいことでもありますが,逆に,英語がしゃべれて当然と思われてしまう状況は,つらいこともあります。アメリカにいるというだけでは,なかなか英語は思うように上達しません。
NCAA男子バスケットボールのナショナルチャンピオンシップの最終戦は,テキサス州サンアントニオのアラモドームにおいて,ユタ大とケンタッキー大の間で争われ,ケンタッキー大が優勝しました。つい先日まで応援していたUNCが,ここにいないのは,やっぱり寂しいです。夕食は,自家製パリパリ餃子。
3月31日(火):今朝は,車が黄色い粉でうっすらと覆われていました。昨日から今日にかけてだいぶ松の花粉が飛んだようです。このおかげでうちのボスは,今日から1週間調子が悪くなるぞと宣言してました。花粉症はこっちにもあるようですが,僕の場合は,日本にいたときに比べると全くというほど影響がないので,原因となるアレルゲンが違うのでしょう。
昨日の暑さで刺激されたものは他にもあります。足元に敷き詰められたレンガとレンガの隙間に小さな穴が開き,そのまわりに砂の小山ができているのをあちこちで見るようになりました。アリの巣づくりです。昨日までは確かにありませんでした。アメリカ南部では,ファイヤーアントと呼ばれる殺人アリがいて,ノースカロライナ州でも隔離策が実施されているそうですが,まぁ,この辺りには,来ていないことを祈ります。
それから,チャペルヒルの学校には金属探知器がないことがわかりました。というのも,残念なことに昨日チャペルヒルの中学校内で銃による自殺事件が起こったからです。13歳の女の子だったそうです。チャペルヒルだけは平穏でいてもらいたかったのですが,銃所持の低年齢化がこのあたりでも進んでいるようです。
さて,海外で暮らす日本人は,およそ50万人もいるそうです。ちなみにアメリカ合衆国に滞在する人が一番多く,約27万4千人。そのうちノースカロライナ州で生活している人達の数は約3千人だそうです。以前から問題になっていた海外邦人の国政選挙への参加が,やっと2000年より実施されることになるようです。僕らがいる間には,アメリカから日本の選挙に参加することはできませんでしたが,日本から外に出てしまったという疎外感を,政治に関しては,受けなくても良くなりそうです。なんだかニュース解説のようになってきてしまいました。
月末なので,あともうちょっとだけ。3月12日に書いたUNC-TVの募金ですが,最終額は260万ドル(約3億5千万円)を越えていました。日本じゃ無理だと思うけど,試しにNHKも募金方式にしてみたらどうかなぁ?どれくらいの人に支持されているかがよくわかると思うのだけれど。夕食は,ナイジェリア風チキントマト煮(OBE)。
3月は,これでおしまい。おかげさまで,このひと月でなんと1000人もの方に,「まわりのアメリカ」をご訪問いただきました。ありがとうございます。4月もどうぞよろしく。
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日本銀行国際局の資料より