Holly

まわりのアメリカ 12月

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 この季節の名曲「クリスマス・キャロル」や「ホワイト・クリスマス」 にちなんだ,マーサ・スチュワートの楽しいレシピとクラフトアイデアのClassic Crafts and Recipes Inspired by the Songs of Christmas: Christmas With Martha Stewart Livingjは,かなりオススメです。

 

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12月1日(月)サンクスギビングが終わり,交わされる挨拶は"Happy Holidays"になりました。

 こちらに持ってきたデジタルカメラ以外のカメラは普通の一眼レフとAPS(Advanced Photo System)のIXY(アメリカではELFという名前)で,APSの方が小さくて持ち運びに便利なので,メインで使うカメラになっています。フィルムが新規格なこと,画質が従来のフィルムに比べてやや甘いなどということもあって日本でもAPSの知名度は,今一つでした。こちらでは,カメラ屋はもちろんディスカウントショップや電気屋でもAPSのカメラを売っているのにも関わらず,一般の人はおろか店員にも全く知られていません。

 写真の現像は,いつも近くのグレンウッドスクエアショッピングセンターにあるユニバーシティ・フォトという写真屋さんに出していますが,APSではうちが唯一のお客のようで,APSなら全て自動処理でうまくDPEしてくれるのだと思っていたら,日本と同じような品質で出来上がるには,やっぱりいろいろと注文を付けないといけませんでした。

 こちらでも写真入りのカードが作れるのですが,APSでも受け付けてくれる店は,まだあまりありません。アメリカのフィルムは日本に比べてだいぶ割高だし,コダック富士フィルムへの規制に力なんぞ入れてないで,ほんとにやる気があるなら,APSの普及や営業努力をしないとね。夕食は,中華料理のHUNAM(湖南)で,エビ焼きソバなど。なんだかAPSの宣伝みたいになってしまいました。

12月2日(火)〜7日(日)待望の休暇をもらえたので,家族とフロリダ州オーランドでゆっくりしていました。その間の話題はオーランド番外編で。

12月8日(月)僕らが休暇を取っている間に,UNCのフットボールの監督マック・ブラウンが,まだシーズン途中で大切な試合が残っているにも関わらず,テキサスにヘッドハントされて去ってしまいました。バスケットの監督ディーン・スミスの引退に次ぐ大ニュースです。アメリカ人って良い条件を提示されると,簡単に今の仕事を辞めちゃうんですね。

 こちらのクリスマスツリーは日本よりもはるかに安く買えますが,フロリダ州のように山が少ないようなエリアでは,生木の方がプラスティックよりも高いところもあるようです。山の方にはモミの木の畑(?)があって,リクレーションとして山にモミの木を切りに行くのを年中行事として楽しみにしている人もいます。

 クリスマスツリーは,モミの木だけだと思ったら杉や松の種類でもツリーになるようです。うちのようにプラスティックの木を買った人のためには,モミの木の香りのスプレーも売っています。またオーナメント類も日本に比べたら,5年半ぶりの円安を勘案しても驚くほど安く買えます。でも,そろそろクリスマス用品売場でも売り切れが目立つようになり,少し品揃えが悪くなってきました。うちのクリスマスツリーにも,今日150個の点滅する色とりどりのライトを追加して,完成しました。ただ点滅するだけじゃなくてWave motion,Slow fadeなどと,バリエーションも選べる楽しい仕掛けもあります。僕たちの近辺でも外に飾るための電飾や光るサンタ,トナカイ,キリストなどの大きな人形を置いた家がそこここで見かけられるようになりました。夕食は,鳥肉のタツタ揚げと牛肉ゴボウご飯。

12月9日(火)こちらの80%(推定)の車はウィンカーを出さずに曲がります。前を走っている車がいきなり曲がるなんてことはざらです。十字路のようなところなら比較的注意しながら走ることもできますが,レストランや店などに入るために突然曲がるようなこともあるので,前の車には,あまり近づきすぎないように気をつけて走る必要があります。これはフロリダでも同じだったので,アメリカでは一般的なことなのかもしれません。

 またこれとはちょっと違うのですが,こちらが店などから車道に出る時,特に左折の場合は,安全に道に出られるようになるまでしばらく時間がかかりました。これはこちらで運転の経験がないとうまくイメージできないかもしれませんが,日本だと左側通行なのでこういう場合,右から車が来ないのを確認するだけで左折して車道に出ることができます。これを無意識にこちらでやってしまうと左から車が来るのを確認しないで左折してしまうことになり,非常に危険です。 また,歩行者が向こう側に渡りたいときにも,日本人では,無意識で左を見ずに渡り始めてしまうことがあるので,これもかなり危険です。

日米の左折の違い

夕食は,ボストンマーケットのカーバークラブサンド,ミートローフなど。

12月10日(水)こちらの交通事情について,いろいろ書いてきましたが,実はモグリで,今までこちらの運転免許を持っていませんでした(爆!)。ごめんなさい。国際免許があるのをいいことに今までそのままにしてきましたが,実は違法で,長期滞在する場合は1カ月以内に州の免許を取らなくてはいけないことになっています。他の州では,免許がないと保険も買えないところもあるようです。

 こちらに慣れるまで様子をみていたというのが,本当のところなのですが,さすがにこちらに来てから半年にもなって持っていないのは,まわりの日本人を見渡してもほとんどいないので,ダーラムのHomestead MarketショッピングセンターにあるDMV(Division of Motor Vehicles)オフィスへ免許の試験を受けに行きました。以前にSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)のオフィスで言われたとおり,SSNを持っていない家内も特に問題なく申請することができました。

 申請時には,交通事故で自分が死亡したときに,自分の臓器を提供するか?なんてことも聞かれます。本当の話かどうか分かりませんが,これにイエスと答えた人を狙い,交通事故を装って殺されることがあると聞いたので,やめておきました(用心しすぎだって!)。身長も尋ねられるのでfeet+inchで答えられるようにしておきます。cmで答えても換算表を見て直してくれますので,心配は要りませんが。

 受付が済むと,4択の筆記試験25問がでます。日本語のテキストと過去問はノースカロライナジャパンセンターでもらえるのですが,残念ながらちょっと古いものなので(1997年当時),現行法と異なるところもいくつか出てきています。一番新しい英語のハンドブックを一通り読んでから,日本語で補足する方が良いと思います。筆記試験は部屋の隅に椅子と机がおいてあるので,紙と鉛筆をもらったらそこで勝手に始めます。終わったら係に渡して,視力検査と標識の試験を検査用の機械を覗き込みながら行います。視力検査は両目でうけますが,見にくいところは片方にしか文字がないところなので,片目ずつつぶってみると読めるかもしれません。標識は,制限速度や進入禁止の標識が文字抜きで出題されるものもあるので,全体の色と形をよく覚えておく必要があります。ここまでは順調だったのですが,僕たちの車の保険会社から適切な保険に入っていることを証明するDL-123がとっくに期限切れなのを指摘され,路上試験が残して,また受けに来いといわれたので,慌てて一度家に戻り保険会社にすぐFaxを送ってもらい,再度DMVに戻りました。DL-123は,FaxでもOKなくらいの,ただの紙切れなので,自分で書き直して持っていけばよかったと思ったくらいです(これを読んでいる方が本当にやってバレても責任は持てませんが)。

 路上試験は自分の車を使って,ショッピングセンター内の駐車場内とそのまわりの道がコースになります。まず車の前後ライトとウィンカーがきちんと点灯するのを確認し,僕の場合は初老の試験官が乗り込みました。いつもよりもいろいろなところに気を回していたので,ついSTOPサインできちんと止まらず,ずるずる進んでしまったところで注意されてしまいした。でもそれ以外は,彼は鼻歌を歌ったり,うるさいくらいいろいろ喋りかけてきて機嫌が良さそうでしたが,こっちはそれどころではありません。そこを曲がれとか,右に寄れとか重要そうな言葉だけを復唱して神経を集中させました。再び駐車場に戻り車を停めオフィスに入ると,なんとか大きなミスはなかったようで,その場でデジタル写真を撮られ,無事Cクラスの免許証を手に入れました。半年間無免許だったことに関してもお咎めはありませんでした。

 ノースカロライナでは,免許の更新が年齢制で,人によって免許の有効期限と申請料が変わってきます。僕の場合は,次の更新(できるかどうかわかりませんが)は40歳の時で,1年$2.50なので6年分の$15でした。免許証は即日交付される州とそうでない州があるようです。夕食は,ハヤシライス。

12月11日(木)クリスマスが近づくと,日本では馴染みのない食べ物や飲物がお店に現れます。ひとつはジンジャー・ブレッド・クッキー,もうひとつはエッグノッグ(Eggnog)です。クリスマスの絵柄がプリントされた大きな缶に入ったポップコーンも日本人にとっては珍しいものです。エッグノッグは,ホリデードリンクとして古くからアメリカ人に飲まれてきたもので,卵と砂糖,クリーム,ミルク,バニラ,ナツメグにラムをちょっと加えたりして作ります。味は,溶けたバニラアイスを飲んでいるような感じです。

 こちらでは生卵をそのまま食べる習慣がないので,一般に売られているものにはサルモネラ菌がついていることもあるそうで,すき焼きの卵のような使い方はしないほうが良いようです。よく探せば生食用の卵も売っていますが,溶いた卵を低温殺菌したパック("Eggbeaters"など)も売られているので,エッグノッグの材料としては,このパックの方が安全なようです。もちろん食料品店にはエッグノッグの完成品も売られていて,温めたり冷やしたりどちらでも飲めます。夕食はヒラメの刺身など。←ジンジャー・ブレッドクッキー

12月12日(金)今日は,娘の誕生日でした。ホームステッドマーケット・ショッピングセンターにある室内プレイグラウンド,A Maze 'N' Castleで,いつも一緒に遊んでいるプレイグループとボスの家族を招いてバースデーパーティを開きました。ここにはボールプールや迷路,障害物などのおかれた巨大なジャングルジムやミニバスケットコート,子供用ピンボールなどがおかれていて,いつも子供達の歓声でいっぱいです。バースデーパーティ用パックもあって,本人や友達の入場料,アイスクリームケーキ,おみやげ,トークンなどがセットになっています。その他にも今日は,うちからケーキなどを焼いて持っていきました。親の入場料はいつでも無料です。娘は2歳になりました。自分の誕生日であるという認識はまだもてないはずですが,今日はみんなが自分に話しかけてくれるので,なんとなく嬉しかったようです。夕食はパーティが終わってからゆっくりとシーフードの店Squid'sで生蛎,マヒマヒのソテーやホタテなどを食べました。味はまぁまぁで,気取らない店なのでまた行こうと思います。

12月13日(土)夕方からボスのC先生が,教室関係者を自宅に招いてパーティを開きました。広い家がいっぱいになるほど(たぶん30人以上はいたと思う)お客さんが訪れ,たくさんの料理とドリンクが用意されていました。日本人の僕たちや中国人のZさん家族のためにか,寿司のカリフォルニアロールやエッグロールなども用意されていました。子供達はプレイルームでおもちゃと戯れ,大人達はワインを片手に会話を楽しむという典型的なアメリカのパーティを体験しました。クリスマスが近づき,そこここでパーティが開かれるようになり,家の前に車がたくさん止まっているのもよく見かけます。

 アパートに帰ってきたら,アパートの前の道ばたに1m程の間隔で白い小さな紙袋に入ったロウソクに火が灯され,このあたりだけ一種独特の幻想的な景色が僕らを待ち受けていました。おもわず少し遠くまでロウソクを追いかけて車を走らせてみましたが,家々のクリスマスのイルミネーションや窓際のキャンドルと相まって,ここは本気でクリスマスをやっている国だということを思いだし,ちょっとだけ敬虔な気持ちにさせられました。

12月14日(日)シーズンに合わせてこのページも,いつもとちょっとだけ雰囲気を変えてみました。さて,チャペルヒルに来てから明日で,まる半年になります。信じられないほど毎日が早く過ぎていきます。これまで自分のまわりのアメリカで特徴的なことをいろいろ書いてきましたが,これはアメリカにあって,日本に無い事柄が中心でした。実はこの逆,日本にあってアメリカにないものというのは,意外と気づくのが難しいようです。折り返し点を迎えるにあたり,こちらも少しずつ書くようにしたいと思います。

 例えば身近なところでは,魚の干物などは,食べたくなってもその辺のマーケットで売っているわけもなく,東洋系の食料品店でないと手に入りにくいので,今日も車で30分ほどのところまで買い出しに行ってきました。

 日本人がもっと多い地域だと少し違ってくるのかもしれませんが,数軒行ったまわりの日本料理店では,アメリカ人の舌に合うように加減されているのか手を抜いているのか分かりませんが,日本にある平均的なお店のレベルにいけるかどうかというところがほとんどだった気がします。そのうえアメリカでは日本食はヘルシーで高級というイメージができあがっているので,他のジャンルの料理を選ぶより意外と高くついてしまいます。この辺りでは,中華料理やメキシコ料理などは,日本食の半分から1/3の値段で満足できますが,やはりときどき和食が食べたくなるのは仕方ありません。今日の夕食は,舞茸ご飯とニジマスの開きなど。

12月15日(月)広島からA教授がUNCの僕らの研究室を訪問して下さいました。研究打ち合わせや僕の後任の方の相談にみえたそうです。日本にいたら,なかなか直接会ってお話しするチャンスなどないことなので,専門分野以外でもいろいろとお話が聞くことができ,貴重な時間を過ごすことができました。A教授のお話の中でも触れられたのですが,僕もUNCに留学してからは,少しずつネットワークの大切さに気がついてきました。もちろんここを読んで下さっている方々とのつながりも,もっと大事にできたらと思っています。是非Topページの「やぁ!」ボタンを押して,足跡を見せて下さいね。今日「まわりのアメリカ」来訪者のカウンターが900を越えました。ありがとうございます。

 夕食は,F先生とC先生もいっしょにA教授の歓送迎会をウェストフランクリンストリートの411イタリアンカフェで。昨日と今日は,留学半年記念なので,ちょっとだけ観念的なことを書いてみました。明日からは通常に戻る予定です。

12月16日(火)バスの行き先表示には"Happy Holidays"とツリーの絵が行き先と交互に表示されています。ちょっと洒落ています。また,チャペルヒルのメインストリートのフランクリンストリートには,雪の結晶を型どったライトが灯され,UNCのオフィスのドアにはクリスマスリースや電飾がつけられ,いよいよクリスマスを迎える準備も整ってきたようです。

 アメリカ人は,この時期一番お金を使うそうで,土日にショッピングモールなどに行けば,車は駐車場にあふれ,建物の中にはいつもの3倍以上の人ごみが見られます。みんなにお金をたくさん使わせるために,クリスマスの雰囲気で盛り上げるという手口は,実は日本もアメリカも変わりません。アメリカには,多少きちんとした根拠があるだけです。おもちゃ屋さんのレジの横に,恵まれない子供達へのプレゼントを置く場所があるのは,感心しました。

 今日はESLのD先生のお宅でクリスマスパーティが開かれました。前半はきちんと授業があり,クリスマスにまつわる説明と出席率の高かった人の表彰など,後半はみんなが持ち寄った各国の食べ物を楽しみました。3mはあろうかと思われる生木のクリスマスツリーが飾りつけられているのも初めて見ました。お宅も立派なのですが,ツリーも華美すぎず渋味さえ感じられます。

12月17日(水)アメリカの人達は,とてもポップコーンが好きです。大学のカフェテリアにもポップコーンマシーンが置かれていますし,近くの研究室からもポップコーンの香りがしてくるし,ショッピングモールを歩けばかならずどこからか香りが流れてきます。もちろんや映画館でも定番です。

 こちらのスーパーでは,電子レンジ専用のポップコーンも売られていて,どの電子レンジにもこれ専用のオートボタンが付いています。Frozen DinnerとかBaked Potato,Hot Dogなんていうボタンも,アメリカならではのものでしょう。ポップコーンはやっぱり出来立てのほやほやの方が美味しいですから,この手の商品はずいぶん種類も多く人気のようです。日本にはフライパンの形のものしかないと思っていたら,ハウス食品からマジカルポップなんていう商品も売られているみたいです。でも日本の電子レンジにはまだ専用ボタンはありませんね。夕食はチキンディバンなど。

12月18日(木)今週から大学は学生も休みに入り,閑散としてきました。カフェテリアのお兄ちゃんも,こんなSanta Capをかぶって仕事をしています。

 今日は隣の研究室のY教授のお宅のクリスマスパーティへお邪魔しました。Y先生のお宅にも立派な生木のクリスマスツリーが飾られていました。オーナメントは,毎年少しずつ作ったり買い足したりしていくそうです。高級住宅地なのでまわりの家の飾り方も尋常ではありません。確実に不特定多数の人に見せるために,リースがつけられたドアはライトアップされ,家や木には何百もの電飾をつけ,サンタは電信柱に登り,庭ではキリストが生まれ,光るトナカイのワイヤーフレーム,王様や雪だるまの人形なども置かれています。思わずいろいろな横道に車を入れて,電飾探索をしてしまいました。

 東京湾のアクアラインが開通したそうです。長さは15kmほどで\4,000だそうですが,先日僕らが渡ったチェサピーク湾橋とトンネルは,1964年開通で,全長28Km,通行料$10です。だからどうしたというわけではありませんが,チャペルヒルに来てしばらく日本に帰れない人は,わざわざ行く価値があると思います。(ワシントンDC特別編の後半参照 画像が多いので要注意)

12月19日(金)車の走行距離が1万マイルを越えました。遠出も2回ほどしていますが平均すると1日90kmほど走っていることになります。

 さて,こちらではメール・イン・リベート(Mail in rebate)というキャッシュバックシステムがあることは,以前(7月24日)に少し書きました。日本のヨドバシやビックカメラなどのように,その場でお店のキャッシュバックポイントがたまるというのとはちょっと異なり,商品にこれがついていれば,その商品のバーコード,レシートとリベート用紙を送ると,後で製造元の会社が小切手を送ってくるというものです。

 実際にお店に払う金額はリベート前の値段なのに,リベートのある商品の価格表示はリベート後の値段で表示されていることが普通なので,送らないと損です。リベート用紙だけ品切れということもあるので,高額のリベートの場合は一応用紙があることをチェックしておいた方が良さそうです。その場でお金を返してくれれば便利なのですが,実際のところこれが意外にのんびりしていて,たいてい小切手が送られてくるまでに約3ヶ月ほどかかります。

 また,リベートとはちょっと違うのですが,4カ月ほど前にデジタルカメラをユーザー登録したところ,登録のおまけで送られてくるという雑誌が届いたのは,今週です。もうほとんど忘れていました。6カ月間無料送付なので,僕らの帰国にはぎりぎり間にあったようです。その他にもお店の顧客カードなども送ってくるまでに3ヶ月かかるなんてことはざらです。なぜこんな簡単なことに時間がかかるのかよくわかりません。短期間しか滞在しない人には,メール・イン・リベートより,新聞や雑誌についているクーポンを使ってその場で値引きしてもらう方が,ありがた味があります。夕食は,Macaroni Grillで野菜とチーズのクレープなど。

12月20日(土)アメリカでは帰省ラッシュが始まりました。

 最近自分で勝手に開眼したと思いこんでいることのひとつに,英語のRの音とLの音があります。これを区別して聞き分けることと話すことが日本人に難しいというのをよく聞きますが,これは今までの英語教育で強力に植え付けられた先入観に基づくものだと思います。

 間違いの元凶は,RもLも両方とも「ラリルレロ」の音だと教えられていることで,Lは確かに「ラ」行に近い発音で舌先を上顎前歯の後ろにつけて発音しますが,Rは「ラ」行ではなくて,舌先をノドに向けて丸めて発音するちょっとくぐもった「ア」に近い音です。これに気がつくと,例えば"teacher"や"car"などのように"r"がついてのばす音と"read"や"rain"のように子音扱いで発音する音が実は同じもので,発音と表記に矛盾がないということがわかります。

 もともと日本語にこの手の発音がないため日本語で表記することができないのを無理矢理表記したために起こったトラブルで,この二つの音が全く違うものだとわかるとなんだか気が楽になりませんか。気が楽になっただけで英会話がうまくなるわけではないのですが。Phonicsという英語の発音学習法でもRは,上記のアの音として教えているようです。夕食は,チキンフィレサンドなど。

12月21日(日)こちらのテレビやラジオでは,時報が聞けません。そういえば,日本の洋楽系ラジオ局などでも,最近は時報を流さなかったりジングルで替えているところも出てきたのを思い出しました。

 町中を歩いていると「今何時ですか?」と聞かれることが多いので,腕時計を持ち歩く習慣も日本人ほどではないようで,一般的にはあまり時間を気にしないお国柄なのでしょう。電話をかけて時計を合わすことはできますが,サマータイムが終わったとき以外,アメリカでは僕も腕時計を調整したことがありません。テレビ番組の始まる時間も数分ずれて始まることは珍しくありません。いらいらしてもはじまらないので,最近はだいぶ慣れてきてしまいました。

 アメリカは日本よりもなにかと待たされることが多いのですが,待っている人達のなかにはそれほどいらいらしている人を見かけません。そうかと思えば,弁護士や医師などは時間あたり幾らという感覚で仕事をしていますから,アポイントのあるお客や患者が急にこられなくなった場合でもしっかりと最低チャージは取られます。先日,小児科にかかったときも無断キャンセル料は,35〜50ドルと規定が書いてありました。時間にルーズな人達もこういうところでは,きちんとしているのでしょうか?患者さんが来なくてもスタッフを含めた人件費や運営費というのはバカにならない金額で出ていきます。僕も当然歯科医としては,日本でもこの制度は浸透して欲しいと思います。ただ医師も時間通りに予約をこなさないとなりませんが。夕食は,ブロッコリーのクリームライスと鳥の照り焼き。

12月22日(月)おかげさまで約半年で,超ローカルな話題が多いにもかかわらず,のべ1,000人以上もの方に「まわりのアメリカ」を見ていただくことができました。ありがとうございます。今後ともお付き合いのほど,よろしくお願いいたします。

 今日は,大学ではもう,ほとんど人を見かけませんでした。公式には,明日から4日間休みになるのですが,みんな土曜日からの連休にしているようです。うちとまわりの研究室でも,今日来ているのはうちのボス(ユダヤ人)とアジア系のスタッフぐらいで,いわゆるアメリカ人はほとんど見かけません。

 そのボスが,最近の若いアメリカ人は,大学に残って研究しようという気概のある奴がほとんどいなくなった。みんなちょっとの我慢ができないで,先を争って外に出て金儲けすることばかり考えている,と嘆きます。たしかに研究室のまわりには,欧米系の顔をした人をあまり見かけません。

 特に多いのは中国人で,どの研究室にもよく働くスタッフや大学院生がいて,中国人のネットワークを活用して精力的にトライアングルエリアでも独自のコミュニティを作り上げています。彼らのパワーはアメリカ人にとっては将来的に大きな脅威となるかもしれません。

 狩猟民族に特徴的な結果(獲物)を急ぐ生産方式と農耕民族のじっくり収穫物を育てる方式のどちらがよいともいえませんが,アメリカ人も目先の利益にとらわれずに,ゆっくり育て上げることの大切さに目を向けて欲しいと思います。夕食はキャベツのラザニア。

12月23日(火)UNCのバスケットボールチームがアメリカで人気ナンバー1になったそうです。今シーズンも調子がいいようだし,名コーチ,ディーン・スミスの引退もあまり影響なかったようです。

 少し前にお隣の研究室のYさんからトライアングルエリアのクリスマス特集ページと,チャペルヒルから160マイル(260km)ほど離れたところにある「クリスマスタウン」と呼ばれるマッカーデンビル(McAdenvill)という町を教えていただいていたので,今日は仕事の後,車を飛ばしてそのクリスマスタウンに行ってみることにしました。ノースカロライナで一番大きなシャーロット(Charlotte)という都市を越えて,約2時間半でフリーウェイの出口付近まではたどり着いたものの,そこからはマッカーデンビル見物の車で大渋滞。1時間に1マイル(1.6km)も進みません。町の中心部にある池のまわりのライティングが綺麗だということだったのですが,ライトアップが終わってしまう9時半になってもやっとフリーウェイを抜け出せたところだったので,残念ながらこれは諦めることになりました。ここは通常なら,ものの5分で通り抜けられるほど小さい町です。

 もともとは約40年前に9本の木に電飾をつけたのが最初のイベントだったそうですが,今ではクリスマスの時期に町にある400本以上の木に425,000個以上の色とりどりの豆電球がつけられ,ノースカロライナやまわりの州からわざわざこれを見る人と車でごった返すそうです。

 町に入るとクリスマスライトを見るために,誰に言われるでもなく,まわりの車が次々とヘッドライトを消し始めます。メインストリートに面する家や店はどこも気合いの入ったデコレーションが施され,みんなの目を楽しませてくれました。運転する僕はよそ見をすると,前の車とぶつかりそうだったので冷や冷やものでしたが。行き帰りだけで約7時間,さすがにちょっと疲れました。

1224()日本からS先生が休暇を兼ねてChapel Hillを訪ねてくれました。せっかくなのでこのあたりで一番にぎやかなCrabtree Valley Mallに行きました。この時期だけのクリスマス専門店は,全商品50%オフになっていましたが,さすがにめぼしいものは残っていません。

 また,ラッピングコーナーがモールの一角にできていて,有料でラッピングサービスが受けられるようになっています。でもアメリカ人って,もらったプレゼントの包装をその場ですぐにびりびりに破って開けるのが流儀なので,もったいない話です。まぁ最近日本でもその場で開けるほうが主流になってきているようですが,包装に関しては,人にあげるときだけラッピングするアメリカの方が合理的なのかもしれません(かといって,アメリカ人が資源の無駄遣いをしていないわけではないですが,その話はそのうち)。

 夕食は,イブらしく丸ごとスタッフドローストチキン,クランベリーサラダ,オザークプディングなど。本当は感謝祭に続いてクリスマスもターキーにする方が,ポピュラーなのだそうです。

トイザらスのオンラインショッピングサイトで,我が家のサンタクロースに!

1225(Christmas)わが家にもサンタクロースが来てくれたようです。暖炉の脇にはプレゼントを持ってきてくれたサンタをねぎらうために専用のお皿にクッキーをのせておくのですが,娘へのプレゼントが置かれていた替わりにクッキーはなくなっていました。

 今日はどこもかしこもお休みです。公共バスですら走っていません。クリスチャンの割合はアメリカでは約60%といわれていますが,チャペルヒルでは80〜90%にもなるそうです。しかし実際に毎週教会に通うような敬虔なクリスチャンの率は10%程度だという話もあるようですが,こちらの人々の日常生活の大前提にキリスト教があり,これに基づいて社会が動いていることは疑う余地もありません。

 こちらに来てから教会主催のイベントに何度か顔を出す機会がありましたが,信じるものを持っている人達のもつパワーには,いつも圧倒されます。いいか悪いかは別として日本の敗戦後,日本の宗教が国の保護を離れることを余儀なくされて,日本人が共通に信じるものがなくなってしまったことは,現在の日米の国際的地位や力関係にも多少影響しているような気がします。夕食は,お好み焼きなど。

12月26日(金)今日は,アフタークリスマスセールの日です。僕は仕事に行きましたが,家内はモールやショップを回ったようです。今日は,アフターサンクスギビングセールの時よりもみんな気合いが入っていたようで,Morgan Importsにクリスマスツリーのオーナメントを買いに行った家内はレジで2時間!も並んだそうです。ついて行かなくて良かったぁ。でも日本のように殺気だつこともなく,並んでいる間に順番を取っておいてもらった人がうちに戻って,自分で焼いたクリスマスクッキーを持ってきて列のみんなやレジの人に配っていたりするなど,のんびりしたものだったそうです。

 クリスマスプレゼントのリファンド(返品)の列は,今日はまだ,それほどでもなかったようです。日曜日まではクリスマスホリデーのようです。クリスマスツリーの生木売りも,木だけ残して売っている人は去ってしまったようです。夕食は,カルボナーラ・スピナッチスパゲッティ。

12月27日(土)チャペルヒルに初雪が降っています。積もるほどではありませんが,ちょっと早ければ,ホワイトクリスマスになったのにとは思うものの,休みは続いているので,まだまだみんなクリスマス気分です。うちもまだクリスマスツリーをしまっていないので,オーナメントが今日も増えています。近くの家の電飾はいつまで続くのか楽しみです。キリストが生まれた日をお祝いするのがクリスマスですから,誕生日が過ぎたからってピタッとお祝いをやめるわけにもいかないのでしょう。

 冬至も過ぎてしまいましたが,日本から送ってもらったユズでユズ湯に入りました。でも,こちらのバスタブは容量が少なくてお湯もあっと言う間に冷めてしまうので,ユズの香りを楽しんで長湯をするとかえって風邪をひいてしまいそうです。

 こちらのアパートでは,電気でお湯を沸かす方式が一般的なようでお湯のタンクが洗濯室に一緒に置かれています。このタンクの容量も日本人にはちと少ないようで,子供と風呂に入っているときなどは,お湯が間に合わないこともよくあります。少し待てばまたお湯が出てくるのですが,これからの冬は,ちょっとつらそうです。あー,肩までお湯に浸かりたいーっ!(10月24日参照) 夕食は,ターキーハムステーキと春巻きなど。

12月28日(日)今年は,年末という実感がなかなかわきません。年賀状をほとんど書いていないからか,あまりにも時間の経つのが早いからか,アメリカにいるからなのか,たぶんきっと全部でしょう。

 こちらのお店や一般の人の消費傾向を見ていると,日本と決定的に違うあることに気づきます。電器製品や日常生活用品などで特に顕著なのですが,日本にあるような高機能で高価格の最新の商品が店頭で全く見かけないことです。

 ビデオデッキは100〜200ドルが平均価格帯ですし,デジタルカメラやMD(MiniDisk)なんていうわりと新しい製品はほとんど見かけません。パソコンでもWindows95にアップグレードせずにWindows3.1を未だに使っている人が多いことや,中古車も日本のようにガクンと値段が下がらないことからもわかりますが,どうもこちらの人は「使えればOK」という気持ちがとても強いように感じます。

 ものを大切にするということとはちょっと違うようなのですが,ガレージセールやムービングセールが一般的なのも,みんな思い思いのライフスタイルがあるので,ブランドにこだわったり,流行を追わなくても,自分に合うものがあればそれで満足できるようです。マスコミや会社が仕組んだ流行に踊らさずに無駄な出費も抑えられるので僕らにとってもとてもありがたいことですが,新しいものがどうしても気になってしまう僕としては,ちょっと淋しい気もします。

 こういう国で,新しい商品の需要を開拓して購買意欲を刺激して売り込むというのはとても難しいんだろうなと思います。逆に言うと日本はものすごい消費社会だったのかもしれません。夕食は,鰻丼など。

12月29日(月)相変わらず大学は閑散としています。今日は,生木のクリスマスツリー屋がツリーを片づけていました。こちらに来て半年間,特に銀行の支払いが滞ることもなかったせいか,最近クレジットカードの勧誘が来るようになりました。もちろん,これで申し込めばアクセプトされるのかどうかまではわかりませんが,良さそうなのがあったら,今のプレミオカードはさっさと解約するつもりです。

 ダイレクトメールや請求書の類を見て気がついたのですが,アメリカではMr,Mrs,Dr.などが宛名についてくることが,まずありません。付けてくれるのは,日本からの郵便ぐらいなものです。映画などでは,「Mr.誰々」と呼ばれた人が「Dr.」と呼び直させているシーンを意外と多く見かけるのでDrは重要なことがわかりますが,Mr,Mrs,Msは,アメリカ人にとって大仰すぎるのかもしれません。夕食は,ビーフシチュー。

12月30日(火)来る前までは,アメリカって何でも安いと思っていました。アメリカに留学した人からも,同じように聞くことが多かったのですが,僕らには,「安いものもある」といった程度で,取り立てて言うほどでもないように感じます。チャペルヒルやトライアングルエリア自体物価が多少高め(全米平均より+5%)ということもその原因かもしれませんが,日本円で給料をもらっている者にとって,どうも物価の印象というのは,かなり為替レートに左右されるところが大きいような気がします。2年ほど前の1ドル80円なんて時と比べると今130円前後ですからその差は,1.6倍以上。1ドル100円なんて単純計算はさすがにもうできません。特にレストランに行けば,6%の州の消費税とチップが10〜15%つくので,意外と高くなってしまいます。アメリカにいる間だけ為替と連動して日本の給料が増えたりすればいいのですが,そうもいきません。日銀がまとめた1997年の平均相場は約120円。前年の平均に比べ12円以上,下落率にして10%,96年も14%だったので2年連続で二ケタ下げたそうです。来年は日本にも,よいニュースがあるといいですね。夕食は,マニコッティ。

12月31日(火)大晦日です。今日も公には休みではありません。大晦日にも仕事場に人がいるのは,やっぱり変な感じです。冬休みという点からみれば,アメリカのクリスマス休暇が日本のお正月休みより,一週間ほど早く始まるといったところでしょうか。アメリカの東海岸時間帯の地域では,日本よりも14時間遅れて新年を迎えます。だから「ゆく年来る年」(今年もやってますか?)でニューヨークが映ったとしても,そこにいる人達は,新年というよりは「ああ,クリスマス休暇が終わってしまう」という気分だろうし,もともとそれほど新年をお祝いする人達でもないのでした。こちらで一般的な,新しい年の迎え方は,カウントダウンです。ミラーボールを空高く釣り下げ,これがカウントダウンと共にゆっくりと下がっていき,地面についた瞬間がNew Year!というわけです。今年のわが家の重大ニュースのNo.1は,考えるまでもなく「ノースカロライナへの留学」です。夕食は,もちろん年越しそばなど。

ここを読みに来て下さっている方たちにとっても,1998年がさらによい年でありますように。


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1ドル当たりの円相場:月中平均 129.47円

月中最高値 125.70円( 17日)

月中最安値 131.60円( 15日)

日本銀行国際局の資料より


リンク

APS(Fujifilm):http://www.fujifilm.co.jp/apsj.html
APS(Kodak):http://www.kodak.co.jp/CI/2c100000.shtml
APS(Canon):http://www.canon-sales.co.jp/Product/APS/APSsys.html
IXY:http://www.canon-sales.co.jp/Product/APS/ixy.html
コダック:http://www.kodak.com/
アメリカ国内の富士フィルムへの規制:http://www.fujifilm.co.jp/specialj/indexj.html
HUNAM(湖南):http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/1000/18/15/
クリスマスツリーの種類:http://www.christree.org/
ジャパンセンター:http://www2.ncsu.edu/unity/lockers/project/ncjapancenter/www/index.html
DMV(Division of Motor Vehicle):http://www.dmv.dot.state.nc.us/
Eggbeaters:http://www.eggbeeters.com/
A Maze 'N' Castle:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/1000/00/04/
Squid's:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/1000/20/52/
411イタリアンカフェ:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/0002/89/08/
マジカルポップ:http://www.housefoods.co.jp/shinto/pop.htm
アクアライン:http://www.japan-highway.go.jp/proj/towan1.html
Macaroni Grill:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/1000/20/07/
トライアングルエリアのクリスマス特集ページ:http://www.herald-sun.com/hoho/
McAdenvill:http://users.vnet.net/srankin/
Crabtree Valley Mall:http://www.crabtree-valley-mall.com/
Morgan Imports:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/2000/90/78/
中古車などの値段の相場:http://www.kbb.com/
日銀:http://www.boj.or.jp/