世界遺産に登録される前から群馬には仕事で通っていたのですが,なかなか行くことができなかった「富岡製糸場」に行ってきました。
僕らが子供の頃の教科書には,「富岡製糸工場」とあったような気がするのですが,気のせいでしょうか…
今は,富岡製糸場で統一されているようですが,ネットを検索してみると「工場」とうっかり書いているところもあるので,もしかしたら,どこかで偏向があったのではなかろうか…と考えたりしています。いや,うろ覚えなので,最初から「富岡製糸場」なのかもしれません。
「富岡製糸場に行ってきました(その1)スマホでガイドが聴ける!」の続きです。
当時の女工やここで働いていた人達の暮らしぶりをうかがい知ることができる展示は少なくて,この「寄宿舎(妙義寮,浅間寮)」は外から離れたところから見学できるだけだったのですが,世界遺産に登録されてから,敷地内の建物は,少しずつリノベーションされて,見学できる所が増えてきているようです。
例えば,この「社宅76」。4戸からなる長屋形式の家族用の社宅です。
大正時代の中期ごろに建てられたもののようで,昭和の暮らしを伝える展示施設として公開されていました。
土間と台所
カイコの生態展示や繭かきなどの養蚕体験ができる施設も併設されています。
これは,レプリカですが動かすことができるようです。「ブリュナエンジン」
フランス人技師ポール・ブリュナによってフランスから輸入され,明治5年の富岡製糸場創業時より,繰糸器を動かす動力源として使われた「横置き単気筒蒸気機関」です。
下調べはとくにせずに出かけたのですが,なんと,2020年10月に「西置繭所」が公開されていました。
富岡製糸場の敷地内には,東繭倉庫(東置繭所),西繭倉庫(西置繭所),繰糸場の三棟がコの字型に配置されています。
これまでもヘルメット着用で,リノベーション工事中の建物を見学する機会はあったようですが,10月からはとくに制限もなく公開されています。あ,写真撮影はご遠慮下さいと言われました。なので,これもオフィシャルサイトから公開されている写真を使います。
1階は,富岡製糸場で保存されてきた歴史的資料の実物を,常設で展示するギャラリー。オシャレです。
強いていうなら,横浜の赤レンガ倉庫風。ここがあれば,東置繭所の展示は要らなくなるのではないかと思います。
ハウスインハウス手法の多目的ホールもあり,ここではまたあのイベントが開催されているようでした。ちゃんと「有料・600円」と書けばいいのにね。
繭倉庫として使用されていた2階の展示エリアは,いろいろ面白かったですよ。当時の「落書き」は,見落とさないように。
2階からは外を眺めることもできるのですが,鉄水溜と煙突は,現在非公開なので,遠巻きに眺めることができます。
拡大してみます。
これ,「フランス積み」という煉瓦の積み上げ方で,外側から見て短い四角の部分は,煉瓦の方向を90度変えて積み上げています。
「イギリス積み」は,同じ列は,ずっと同じ並びになります。
というわけで,平日の昼間に富岡製糸場に行ったので,わりとお客さんもまばらで,「密」を気にせずゆったり見学することができました。
以前に,富岡製糸場に行ったことがある人でも,その時には公開されていなかった建物や展示もあるので,ぜひまたどうぞ。
富岡製糸場は,思ったよりもレトロな施設ではなくて,近代的なもので,昭和62年まで稼働していたということも考えると,けっこういろいろと生々しい部分もあったりして,よりインパクトを感じるようです。女工たちの待遇も決して今よりも過酷なものではなくて,かなりホワイトだったというのも,考えさせられますね。また新たに施設が公開されるようなことがあれば,また来てみたいと思いました。
さて,お昼は,どうしよっかな。
<続く>
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今回は,ホテルココ・グラン高崎に宿泊して,朝から富岡製糸場へ向かいました。
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