ダークさが熱烈に好きなバットマンのファンには刺さるのかもしれないけれど,3時間におよぶ上映時間の超大作にしては,ストーリーの詰めが甘く,救いのない映画でした。
圧倒的にダークな,救いのない映画を求めるのであれば,それも構わないし,この映画を褒め称える人がTwitterでもかなり多いので,そういう評価なのだとは思いますが,ゴッサム・シティの大物汚職役人が次々と殺されていくストーリーに,犯人捜しの伏線は一切なく,ストーリーを読み解いていく楽しさやワクワク感もありません。
以下,ネタバレありで,続きます。
2022年のこの「THE BATMAN-ザ・バットマン-」は,マット・リーヴスが監督,リーヴスとピーター・クレイグが脚本,ロバート・パティンソンがブルース・ウェイン / バットマンを演じ,ゾーイ・クラヴィッツがキャットウーマン,ジェームズ・ゴードン警部補にジェフリー・ライト,オズワルド・“オズ”・コブルポット / ペンギンにコリン・ファレルが出演しています。
DCフィルムズと6th & Idahoが製作,ワーナー・ブラザース・ピクチャーズが配給する本作は,「バットマン」映画フランチャイズのリブートとして製作されたもの。
ハロウィーンの日。ゴッサム・シティの市長ドン・ミッチェルが「リドラー」と名乗る男に殺害された。
バットマンとして悪と戦い始めて2年目のブルース・ウェインはゴッサム市警と共にリドラーが現場に残した謎を次々と解き明かす。
原作コミックにも出てくる天才的な知能を持つリドラー(Riddler)は,riddle(なぞなぞ)という言葉から来ています。
なので,映画の中で,なぞなぞが出てきますが,執事のアルフレッドも,バットマンことブルース・ウェインも,なぞなぞを聞いた途端に答えを出してしまうという,ご都合主義のつまらなさ。
目が死んでるバットマンを延々と見続けるのは,ちょっとツラかったな。
ほんと,こういうのが好きなヒト向けの映画です。
で,これまでのバットマンの映画があってこそ成り立つ映画でもあります。バットモービルやバットケイブなどバットマンのストーリーを支えるワクワクするようなツールや環境については一切説明がありません。子供の頃に両親が亡くなったことについてもさらっと出てくるだけ。なので,これまでのバットマン映画を見ている人が,さらに深くストーリーを楽しみ考察するための映画…なのだろうけれど,それにしても3時間は長いな。もっとサクサクと進展してもストーリーは十分に追えるとは思ったよ。
通常の推理要素のあるミステリー映画であれば,犯人のリドラーは,初期の登場人物の中にいたりすることが多いわけですが,
リドラーは,中盤まで全く登場せず,ブルース・ウェインとの繋がりも希有な,ただのサイコだというオチ。原作を知っている人には問題ないのだろうけれど,知らずに始めてバットマンを見る人には,ちょっとツラいかもね。
続編がありそうなポストクレジットシーンの「GOOD BYE >」という映像。次回作にジョーカーが出てくるにしろ,「復讐ではなくて希望」がコンセプトになるにしろ,新たなバットマン像での続編の公開は,かなり厳しいのではないかな。
しっかしまぁ,コリン・ファレルが,コリン・ファレルらしくなかったのが,この映画で一番びっくりしたかも。
2022年3月21日に首都圏で新たに確認された感染者数
栃木:248名
群馬:328名
茨城:1,410名
埼玉:2,985名
東京:3,855名
千葉:1,754名
神奈川:3,856名
静岡:422名
全国:27,701名
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