「神は細部に宿る」という言葉があります。
飲食店に置かれている爪楊枝は,まさにその象徴的なアイテムの一つと考えています。
たかが爪楊枝、されど爪楊枝。そこにこだわる店には、共通する「ホスピタリティの哲学」が透けて見えます。
1.「食後」への想像力
飲食店での体験は、食べ終わって店を出るまで(あるいは家に帰るまで)続きます。
安価で,細くて折れやすい、あるいは先端が丸い,表面がささくれ立ったような爪楊枝は、お客さんにストレスを与えます。
「黒文字(くろもじ)」のような高価で,香りの良い素材や、持ちやすく折れにくい工夫がされたものまでは求めませんが,しっかりした爪楊枝をを用意している店は、お客さんの食後の快適さまで完璧にデザインしようという意思が感じられます。
2.コスト管理の「優先順位」
爪楊枝は、1本あたりの単価は極めて低い消耗品です。
しかし、だからこそ「安物で済ませるか、あえて良いものを選ぶか」に経営者の姿勢が表れます。
妥協しない姿勢: 目立たない備品にまでコストと意識を割けるのは、メインの料理やサービスがすでに高い水準にあり、さらにその先を目指している証拠です。
3.一貫性のある美学
内装が豪華でも、テーブルの上の爪楊枝がプラスチックケースにそのまま立てられているようなものだと、急に現実感(生活感)に引き戻されてしまいます。
質の高い爪楊枝を、例えば懐紙に包んだり、専用の美しい器に収めたりしている店は、「空間のトータルコーディネート」を理解していると言えます。
結論として:
爪楊枝のクオリティは、その店が「お客様の満足度をどこまで追い求めているか」を測る、非常に信頼できるリトマス試験紙だと思います。

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