ビートルズの歌を口ずさむことができる人なら,とてもオススメの映画でした。
ジャンルは,うーん,「SFラブコメディ映画」かな。
映画「YESTERDAY」は,売れないミュージシャンが,ある事故を境に,ビートルズのことを誰も知らない世界になっていて…。
ビートルズの歌を歌ったら,誰もビートルズを知らないので,あれよあれよという間に人気シンガーに。
だけど幼馴染みのマネージャーとは,気持ちがすれ違い,さぁ大変!っていうストーリー。←予告編で流れる以上のネタバレはありません
その事故で,主人公の上の前歯が2本ほど欠けるんですけれど,歯科医院のシーンのレントゲン写真で,まだ歯の根があることがわかりました。ま,あんなに簡単に前歯は,できあがりませんけどね。いや,命あっての物種ってことで。
主人公ジャックを演じるヒメーシュ・パテルは,インド系のイギリス人かな。お父さん役,お母さん役の俳優さんも,そろって俗物的なところも笑わせてくれます。ヒメーシュ・パテルの歌唱力もかなりのもの。なんというか味があるんですよね。映画は,これがデビュー作のようです。コミカルなストーリーを超真面目に演じています。歌も歌真似ではないところにも好感。
ヒロインのエリー役のリリー・ジェームズは,とてもキュート。仕草や笑顔がとてもステキですが,女性から見たら歯がゆいとか,策士的にも見えそうな気がします。普通,あそこまで言われたら,男はおちるでしょ。ジャックのどんくささも「あー,もう!」って思わせられるわけです。
どこかで見た気がしたと思ったら,「マンマミーア・ヒアウィゴー」のドナの若い時の役で出てました。道理で彼女も歌が上手いわけです。
Ed Sheeran本人が本人役で出てくるところが,この物語をリアルに見せてくれるポイントのひとつ。
よくOKしたなと思うくらい,笑わせてくれます。スマホの着信音とかも。
アメリカ合衆国のコメディエンヌのケイト・マッキノンが冷徹で金の亡者的ないやらしいエージェント役を怪演。
ビートルズのコピーバンドのメンバーさんは,きっとこの映画を見て,「俺たちなら,もっと上手くやれる」なんて思ったかも知れません。
そう,ビートルズが存在しないパラレルワールドでは,ビートルズのメロディも歌詞も存在しないので,ジャックは思い出すしかないのです。そのために,ビートルズ所縁の地へ赴くのも,ファンにとっては,ちょっと嬉しいポイント。
楽曲は,ほぼビートルズの曲。THE BEATLESが持つすべての側面から曲が選ばれていて,ストーリーに重みを与えます。
なるほど,そんな意味にも取れるなと,ダブルミーニング的な。ま,映画のタイトル「YESTERDAY」もそうですね。
「パクリ」で有名になってしまうのだけれど,その元を誰も知らないので結果的に彼の手柄になることの葛藤や落としどころもちゃんと描かれています。ビートルズがいない世界でも,「彼」は存在していた…というか存命しているとか,ビートルズのファンをちょっと喜ばせるところもあったり,根底にビートルズへの敬愛がたっぷり感じられる,楽しい作品でした。
ビートルズが好きなら,絶対ハマる映画です。ぜひ。
<追記>
原作者は,他にいたということで,「ビートルズを知らない世界を描いた映画『イエスタデイ』、原案者が脚本のクレジットを求める」
映画『イエスタデイ』の脚本を書いたという男性が脚本のクレジットをすべてリチャード・カーティスにとられてしまったと主張。
ちょっとケチが付いてしまいました。ま,当事者同士できちんと解決してほしいと思います。
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『イエスタデイ』
監督:ダニー・ボイル Danny Boyle,
脚本:リチャード・カーティス Danny Boyle,
出演:ヒメーシュ・パテル Himesh Patel/ リリー・ジェームズ Lily James / ケイト・マッキノン Kate McKinnon / エド・シーランEd Sheeran(本人役)
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